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先生の観察日記
【学園物 官能小説】

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はじまり-1

幼い頃から、家族以外の男性がどうも苦手で、両親に頼んで女子高に行きたかったんだけど…金銭的な理由で共学の高校に進学させられた私。

相変わらず男子と関わることから逃げてきた。性格も内気だけど、クラスで浮きたくなかったし、それなりに女の子達とはうまくやってこれたつもり。
 
部活もやっていなくて暇だったから1・2年生の頃は学級委員もやってたんだけど、3年生になってからは大学進学を目指して、内申点を上げたい人たちにそうゆう類の委員を独占
されてしまっている。

私は無難な所に進学できればいいや、と考えていたし、今の成績だと中堅レベルなら大丈夫って言ってくれたもんね、先生が。



「今の成績を落とすなよ、江口。そうすれば予備校も模試の時だけに利用すればいいから、親も喜ぶだろう。」
「ありがとうございます。」

私は、進路担当の先生ではなく、あえてこの物理教師、相田先生にいつも話を聞いてもらっている。

「しかし、なんで模試の結果が来るたびに、俺のところに来るんだ?」
「進路の先生って、良い大学に入れようとするじゃないですか?なんだか、自分が高校の生徒集めに使われているようで、いい気分じゃないんです。それに、先生はデータだけを見て的確なアドバイスくれるし・・・」
「ふぅん・・・そんなもんか?まぁ、こうゆう仕事してると、数字やデータさえあればいいからな。」

もちろんそれだけの理由ではない。私は生まれて初めての恋をしたのだ。この先生に。
授業中にふと見せる、どこか哀愁を感じさせる目、白衣をさらりと着こなす広い背中、実験を淡々とこなしていくしなやかな指先・・・

私が一年生の頃にこの高校に来た先生、最初はクールで大人で、ミステリアスな雰囲気に女子たちが色めきたったが、どこかのクラスのかなり可愛い女子が先生にこっぴどくふられたという噂と、物理にしか興味がないカタブツさゆえに、「アイダ・シュタイン」と裏で揶揄されたりしているみたい。
女子たちはすぐに先生に飽きて、そこらへんの男子と適当にカップルを作っている。同級生の男子なんて、子供っぽくて、すぐに「うおー!!すげー!!!」とか意味のわからないテンションで騒ぎ出すし、なんか馬鹿みたい。
そんなやつらには感じなかった、色気を先生には感じる。親友にさえもこの気持ちは分かってもらえなかったけど・・・

「じゃあ、俺ちょっとやらないといけない仕事あるから、ここ戸締りして帰るように。」

そういってコーヒーをぐびっと飲み干すと、先生は理科室の隣にある教官室に消えていった。
あーぁ、用が済んだらすぐに行っちゃうんだから、と心の中で思いながらも、私は図書館なんかよりもはるかに勉強がはかどるため、そのまま模試を復習することにした。
図書館は静か過ぎて、逆に鉛筆の音が気になったりするし、本をめくる音もお腹の音も、って考えすぎて集中できなくなる。
その点ここは誰にも気を使わなくていいし、なんといっても隣の部屋には先生がいるって思うと、安心感があって・・・眠くなっちゃう。
ってだめだめ、勉強しなきゃ。昨日も先生のことあれこれ考えているうちに、夜更かししちゃったんだっけ。


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