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憎しみと愛、そしてセックス
【その他 官能小説】

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憎しみと愛、そしてセックス(2)-2

美しい女性は、なにをしなくても美しい。
「美沙子、お化粧などは、本当に自分に自信があればいらないものなの。
言い換えれば、化粧をしないほうが肌をいたわり、休めさせ、美を守る為には良いのよ」
昔から母から教わった言葉を美紗子は信じていた。


しかし、結婚した夫はその美紗子の美しさがあまり好きでなかった。
どちらかというと、派手で水商売風の女を好んだのである。

では何故に美沙子と結婚したかというと、両家の利益のためである。
放蕩好きな彼にとっては、結婚などはどうでも良かった。


そんな彼は美紗子では燃えず、
夜の交わり時には、彼女に濃いめの化粧をさせた。
アイシャドウを付けさせ、口紅も娼婦のよう引かせて求めた。
ネグリジェや下着も、
薄手でセクシーなものを着させるのを彼は好んだのである。

美紗子はそれがいやだったが、彼の望むスタイルで彼に抱かれ、
身体を貫かれた。
そのとき、美沙子は抱かれている自分が、自分でないような気がした。

彼はそれで満足した、自分だけで逝ったのである。
膣から沁みだした夫の精液を拭き取りながら美沙子は寂しかった。

後で、そっと濃い目の化粧を落とし、一人虚しさに涙する美紗子だった。
だから、
よけいに美紗子は感じることが出来なかった、と言える。

夫には妻に対する愛などではなく、ただ欲望のまま妻を犯したのだ。
美紗子の身体は感じることはなかったが、
結婚とはそう言うものだと、彼女なりに朧気ながら思って諦めていた。

次の日も、更にその次の日も・・・
美紗子は夫の言いなりになりながらも、彼女なりに思っていた。
(セックスとは、交わりとはもっと素敵なもの、美しいもの、でも・・)
それは無垢な少女が夢見るような空想だった。

しかし、夫とのセックスは、そんな美紗子の夢を儚くもうち砕いていた。
粗野で優しさもなく、自分だけで満足してしまう夫とのセックス。
次第に美紗子の憧れは絶望へと変わっていた。
それが、自然に美沙子に甘い空想を求めるようになったようである。

もし美紗子に子供が生まれていなかったら、
今でもどうなっていたか分からない。
離婚していたかも知れないし、家を出たかも知れない。
そのやるせない思いを子育てで紛らし、空虚な時間を流していた。

そして子供達にさほど手が掛からなくなった今、
無性に寂しさを感じるのである。
(このままの女性で終わりたくない・・)
そう想うと沸々と沸き上がるセックスへの願望に目がくらむ美沙子だった。
しかし、今更ながら離婚することも、家を出ることも出来なくなっていた。


だが、熟した女体はそれを満足できなかった。
ロマンチックな小説を読んだり、心ときめく映画を観たとき、
その中に身をおき、一人誰も居ない自分の部屋で空想し、
自らを慰めるのである。


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