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一歩前へ踏み出せば...
【青春 恋愛小説】

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一歩前へ踏み出せば...-4

私は姉に借りた洋服に着替えて、再び姉の部屋に向かった。
「どうかな?お姉ちゃん!」
姉は私を見て
「ものすごく似合っているよ!AKBにいてもおかしくないくらい可愛いよ!」
「ありがとう!これ借りて行くね!」
「うん!美咲なら大丈夫だから!!自分に自信を持ってね!!」
私を励ましてくれる姉に笑顔で返した。
「美咲!その笑顔を忘れないでね!!」
「うん!それじゃ....」
私はもう一度お礼を言って家を出た。


彼の家に向かっている途中で、大事な事に気づいた。彼の都合を聞いていなかった事に....私は途中のコンビニの前で彼に電話をかけた。
「はい!もしもし.....」
彼が電話に出た。
「もしもし...北原です....」
「あっ!どうしたの?」
「あのっ....これから逢えませんか?時間が空いていればの話ですけど....」
「別にいいけど.....今どこ?」
「駅前のコンビニの前です....」
「あっそれならすぐ近くにいるよ!」
そう聞こえてすぐに彼が携帯を耳に当てながら歩いているのが見えた。
「あっ木下君こっちです。」
つい携帯で話してしまった私を彼は辺りを見回して見つけてくれて
「携帯でなくて直接話しかけてくれればいいのに...」
笑いながら話しかけてくれた。
「ごめんなさい....つい....」
彼は私を見たまま固まっていた。
「変ですか?」
私は不安になって彼に尋ねると
「いや....すっげー可愛い....」
彼がふともらした言葉に
(ありがとう!お姉ちゃん!)
心の中でそう呟いた。
「どこかでお茶でもしませんか?」
思い切って彼を誘うと
「それじゃあ....向こうのカフェでも行こうか?」
「はい....」
私達は彼が指差したカフェへと歩き始めた。

歩き始めてすぐに、私は告る事にした。時間が経てば言えなくなってしまう。そんな気がしたから....
「あっあのっ...木下君....」
「えっ何?」
「.....好きです......」
「えっ.....」
おもわず立ち止まった彼に気づかずにそのまま歩いていた私は、彼が隣にいないのに気づいて、振り返って彼のほうにゆっくりと歩いて行った。彼の顔を見るのが恥ずかしくてずっと下を向いていた。彼の前で立ち止まって
「木下君....あなたの事が....好きです....良かったら....私と付き合って下さい.....」
私はどれくらいそのまま下を向いていたのか....ほんの数秒の事だっただろうが私には数分の事のように思えた。恐る恐る顔を上げて彼の顔を見ると、彼は困ったような顔をしているように見えた。


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