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一歩前へ踏み出せば...
【青春 恋愛小説】

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一歩前へ踏み出せば...-3

三者面談の為に母と教室の前に行くと、最近友達になった真弓が話しかけて来た。
「美咲も今日だったの?」
「うん!真弓も?」
「そうよ!」
私達は母から離れて話し始めた。
「さっき池田君と木下君が来ていて、話を聞いていたんだけど、池田君の妹さんが、木下君がデートをしているところを見たって言ってたって....」
「ふうぅん」
「あれ?驚かないの?」
「だって!木下君なら彼女がいても不思議じゃないでしょう!」
正直言って、想像出来た事とはいえかなりショックだった。
「それもそうだね!」
真弓は納得したようだった。その日どんな話をしたかもはっきり覚えていない.....それ程ショックは大きかった....


その日の夜彼の事を考えていた。考えてもどうしようもない事はわかっていたが考えずにはいられなかった。その時、何気なく聞いていたラジオから流れていた歌に聴き入ってしまった。その歌の歌詞に私は背中を押されたような気がした。

今のままじゃ何も変わらない....勇気を出して!!一歩でいいんだ!前に踏み出そう!....きっと!何か変わるから....

私はこの歌詞に勇気をもらった。確かに告らなければ彼は私の想い気づいてくれないだろう...気持ちを伝えなければ何も変わらない。私は今の自分を変えたかった。明日彼に告ろうそう決めた。


次の日私はいつもは下ろしている髪型をポニーテールにした。少しでも明るく見えるように....しかし着て行く服が決まらなかった。どれもしっくりこなかった。私は思い切って姉に相談する事にした。
「お姉ちゃん!ちょっといい?」
姉の部屋のドアをノックした。姉はドアを開けて私を見ると、
「どうしたの?珍しいわね!ポニーテールにするなんて!デート?」
私は返事に困っていると、
「心配しなくてもいいよ!とっても似合っているよ!」
「ほんと?お姉ちゃん!」
「ええ!美咲は可愛いんだからもっと自信を持って!!」
「ありがとう!お姉ちゃん!.......あのね.....」
「なぁに?美咲?」
「私に似合う洋服を貸して欲しいんだけど....」
姉は驚いたように、
「あんた持ってないの?」
「今までそういうの買った事無くて.....」
「女の子なんだからデートに着て行く洋服ぐらい....」
「ゴメンナサイ。まさかこんな日が来るとは思ってなかったから....」
「まっいいわ。入って!!」
姉は私を部屋に入れてくれた。姉はクローゼットの洋服を見ながら、
「あんた....いつ彼氏が出来たの?」
そう聞いてきた。
「....まだ....」
「えっ?」
姉は振り返って、私のほうを見た。
「実は....今日....告ろうかと思って....」
私は真っ赤になっていた。
「それならそうと早く言ってよね!」
そう言いながら、洋服を選び出した。
「これなら大丈夫!美咲の可愛さを引き立ててくれるよ!」
「本当に?」
それは今までの私なら絶対選ばない洋服だった。女の子の可愛さを思いっきり意識させるものだった。
「私を信じて!!美咲は明るく笑っていたら私が羨ましいくらい可愛いんだから!これくらい可愛さをアピールしたほうがいいんだよ!美咲だって少しでも今までの自分を変えたかったから髪型を変えたんでしょ?」
「うん.....そうなんだけど....」
「だったらもっと自信を持って!!美咲より可愛い女の子はAKBにだってそんなにいないよ!私は本気で言っているんだからね!」
「ありがとう!お姉ちゃん!」
多分姉は一歩前へ踏み出そうとしている私の背中を押すためにそう言ってくれたのだろう.....そんな事は私が一番よくわかっていた。
「あのね美咲...どんなに可愛くてもネガティブ思考の女の子はモテないのよ!だから明るく笑っていなさい!そうすれば大丈夫だから!!」
「うん....」
そんな事言われても簡単に性格は変えられない。自分でもわかっている....それでも彼の事はあきらめられなかった。何もしないであきらめる事は出来なかった。だから告ろうと思ったのだった。私は姉の言葉を信じて洋服を借りた。少しでも可愛く見られたかったから....
「美咲なら大丈夫!美咲をフルようなバカな男はいないよ!」
「ありがとう!お姉ちゃん!」
私は姉の洋服を持って部屋に戻った。



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