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一枚の写真
【初恋 恋愛小説】

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ヒロ兄ちゃんとユキ姉ちゃん-14

次の日ヒロ兄ちゃんはいつもより早い時間に店に来た。
「どうしたんだ?こんな早くに....」
父がヒロ兄ちゃんに聞いた。
「今日は祝日で予約も多いので早く来たんですけど....ダメだったですか?」
「助かるよ!今日はすまないね!!」
「いえ!それじゃぁ着替えて仕込みにかかります。」
「頼むよ!」
「ハイ!.....おはよう美香ちゃん!!」
ヒロ兄ちゃんは私に声をかけて着替えに行った。
「おはよう!ヒロ兄ちゃん!」
私はヒロ兄ちゃん後ろ姿に声をかけた。
「おはようヒロ君!!もう来てたの?」
7時半頃家事を終えた母が店に来てヒロ兄ちゃんに声をかけた。
「おはようございます。」
それから三人で仕込みにかかった。
「ヒロ君、昨日美香に聞いたんだけど、今度また一緒に遊びに連れて行ってくれるんですって?」
「ハイ!今度休みをいただいた時に....」
「裕貴君気を使わなくてもいいんだよ。」
「別に気を使っている訳じゃ....この前本当に楽しかったんですよ!それで.....」
「それならいいんだけど....ゴメンね!本当は私達が連れて行ってやれればいいんだけど....」
「いえ....二人きりで行きたい時はちゃんと言いますから....」
「そうしてくれ!」
三人で仕込みをしていたので、9時過ぎになるとかなりはかどっていた。その時電話がかかって来た。母が電話を受けた。
「小森さん、少し遅れるそうよ。」
「小森さんが来るまで、俺残っていましょうか?」
「何言ってるの!そんな事したらデートの時間に遅れるでしょう!」
「そうだよ!!もう帰ってもいいよ!だいたいの仕込みも終わったから!!」
ヒロ兄ちゃんは少し考えて、
「やっぱり小森さんが来るまで残ります。」
「本当にいいの?」
「ハイ!大丈夫ですよ!」
「申し訳ないけど頼むよ....」
「ハイ!」
再び三人は仕込みを続けた。しかし小森さんは10時を過ぎても店に来なかった。
「裕貴君本当にもういいから....時間過ぎているんじゃないか?」
「そうよ!もういいわよ!帰ったほうがいいんじゃない?」
「いえ!大丈夫ですよ!ユキならわかってくれます。今ここで帰ったら、逆にユキに怒られちゃいますよ!」
そう言って笑った。それから、
「もしもの時は土下座して許してもらいます。」
「裕貴君....もう尻に敷かれいるのかい?」
「まだ....そういう訳じゃ....」
「気をつけないと....女はどんどん強くなっていくぞ!」
「えっそうなんですか?」
「ああ....アレも昔は......」
父は母のほうを見た。
「何か言った?」
母が父を睨んだ。
「べっ別に何も言ってません!」
そう言った後小声で、
「ほら.....」
「ハイ気をつけます....」
ヒロ兄ちゃんも小声で父に答えた。


<小森さんが店に現れたのは11時前だった。
「遅れて申し訳ありません。」
そう言って頭を下げた後、ヒロ兄ちゃんを見つけ、
「ヒロ君まだいてくれたんだ....ゴメンね....今度ユキちゃんに会ったら私からも謝っておくから....」
「いえ!大丈夫です。それじゃぁ俺はこれで帰ります。」
「今日は本当にありがとうね!!」
「待ち合わせの場所までこいつに送らせようか?」
「いえ!大丈夫です。ユキへのプレゼントを家に忘れて来たので取りに帰りたいので....じゃぁ明日またね美香ちゃん!!」
ヒロ兄ちゃんはそう言って、走って帰って行った。
それから二十分程して、今度はユキ姉ちゃんが店に来た。
「ヒロはまだいますか?」
ユキ姉ちゃんは店を覗き込んで言った。
「あっユキちゃん今日はゴメンね!!」
母がユキ姉ちゃんに声をかけた。
「いえ....で..ヒロは?」
「ヒロ君は家に忘れ物を取りに行ってから、待ち合わせの場所に行くって、二十分程前に走って帰ったけど....」
「いけない....行き違いになっちゃった....」
ユキ姉ちゃんは少しあわてて、
「すみません。私これで帰ります......明日またね!!美香ちゃん!!」
「うん!明日ね!!ユキ姉ちゃん!!」
ユキ姉ちゃんも走って行った。



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