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愛しのお菊ちゃん
【ホラー 官能小説】

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愛しのお菊ちゃん9-2

「こ…ここは…江戸の町!?」
テーマパークの中に入った瞬間…目を真ん丸く見開くお菊ちゃん。

僕たちが来たテーマパークの名前は『お江戸ランド』。
広い敷地内に江戸の町並みが再現されたテーマパークであった。

「ここは江戸の町でございますか?」
びっくりした様な顔で訊いてくるお菊ちゃん。
ちょっと嬉しそう。

「ここ…この町ね、全部がお芝居の舞台みたいな物だよ」

「そ…そうでございますか」
ちょっと寂しげなお菊ちゃん。

やばっ…江戸の町を思い出してるのかなぁ。
「ご…ごめん…もしかして江戸を思い出しちゃった」
神妙な顔になっちゃう僕。

「す…少し思いだしました。なれど…江戸の町を俊樹さまと、でいとなる物が出来るのは夢の様にございます」
寂しそうな顔にパッと笑顔を咲かせるお菊ちゃん。
きっと僕の為に笑顔になってくれてるんだ。

なんて健気なお菊ちゃんなんだろう。
よし!今日は絶対にお菊ちゃんをいっぱい!いっぱい楽しませてあげるぞ!
お菊ちゃんの笑顔に誓う僕。
そして…。
「お菊ちゃん!ここは僕とお菊ちゃんの江戸だから!二人の江戸の町だから!存分に楽しんでね」
全力で笑いながらお菊ちゃんの両手を掴む。

「はい!」
お菊ちゃんも力強く頷くと…。
「さぁ…参りましょう」
一段の笑顔を浮かべた。


お侍さんや町娘の格好をしたエキストラの中を歩くお菊ちゃんは本当に楽しそう。
大名行列に出くわした時なんかはエキストラの人に混じって道の端で畏まってる。
もちろん僕もお菊ちゃんに習って一緒に畏まる。

お茶屋さんでお茶を飲む時のお菊ちゃん。
本当に美味しそうにお茶を飲んでる。

「ねぇお菊ちゃん…お団子食べよ」

そんな僕の言葉にニッとホッペを綻ばすお菊ちゃん。
唇をムグッと閉じると生唾を飲みこんでる。
そうだ…お菊ちゃんってけっこう食いしん坊なんだよね。
そんなお菊ちゃんを微笑ましく見つめながら、みたらし団子を注文する僕。

運ばれてきた、みたらし団子をキラキラした瞳で見つめているお菊ちゃん。
「美味しそうなお団子にございますね」
けっこうテンションが上がってるみたい。

「お菊ちゃん、お団子好きなの?」
僕のテンションも上々。

「はい!菊の好物にございます!」
見慣れないお菓子にも興味はアリアリだけど。
慣れ親しんだお菓子を前にしてメチャクチャ嬉しそうなお菊ちゃん。


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