投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

愛しのお菊ちゃん
【ホラー 官能小説】

愛しのお菊ちゃんの最初へ 愛しのお菊ちゃん 0 愛しのお菊ちゃん 2 愛しのお菊ちゃんの最後へ

愛しのお菊ちゃん1-1

お菊ちゃん登場

僕は俊樹。
東京近郊の街に住む高校二年生。
極々普通の…いや…普通より冴えない高校生だ。
もちろん彼女はいない。
エッチの体験もまだだ。
そんな僕だからワル共のパシリになったり、いじめられたり。
くら〜い青春を送りかねない状態だったけど。
僕の高校にはワルが少ないのと僕自身が生まれ持ったノー天気さで。
惨めな青春を送る事は何とか回避してきた。
…と言っても女子からモテナイ事には変わりは無かったけど。
でもそれなりに友達もいるしマズマズの青春を送っていた。

ある春の日。
僕たちは学校行事の一環で東京に社会見学に行く事になった。
しかも班単位でだ。
僕の班は親友の隆を始め男子も女子も羊の群れの様に大人しい人が集まりとても快適だった。
隆と言うのは僕が中学の時からの親友で。
中学の時は僕と二人で不良グループのパシリをさせられたり。
大人の雑誌を強制万引きさせられたり(もちろんお古は貰ったけど)と苦楽を共にしてきた戦友だった。
性格も僕に似たりよったりだ。
喧嘩なんかはした事がないけどしたら僕が勝つかなぁくらいだ。
もっとも隆は自分が勝つと言っているけど。
じゃあ…どっちが強いか勝負だ!ってならないところが僕たちらしいけど。
とまぁ…そんな隆が率先して班長が出来る様なゆる〜い班だ。
居心地が悪い訳なかった。

そして社会見学。
ちょっとワルい連中はカラオケボックスとかにいっちゃったけど。
僕たちはそんな連中からは距離を置き。
真面目に見学ポイントを見て回った。
君子、危うきに近寄らず…ってヤツだよね。
ただ見て回っているうちに。
気が大きくなってしまったのか。
「どこかでタバコでも吸っていこうぜ」
隆の奴がトンでもない事を言い出した。
僕は…。
「バカ!身体に悪いだろ!だいいち、タバコなんて持ってないよ!」
そしたら隆の奴がニタッて笑って制服の内ポケットから洋モクのパッケージをチラチラさせてきた。
「あれ〜ビビッちゃったぁ?」
隆の奴、僕を挑発してきた。
ムカッ!!
「タバコくらいでビビるかよ!」
言っちゃったぁ…本当は吸った事ないけど。
「じゃ…ちょっと一服してこうぜ」
「おお!いいよ!」
売り言葉に買い言葉。
こうして班のみんなに先に行ってもらって。
僕と隆はタバコの吸えそうなちっちゃい商店街の裏路地に入って行った。

ゴホ――ゴホ――。
ケホ――ケホ――。
初めて味わう苦い煙に僕と隆が咽返っている時だった。
「あん!なにやってんだぁ!」
「どこのボクちゃんたちだぁ!ゴラ!」
四、五人のイカちいのがやって来た!
わ!スキンヘッドもいる!わわ!タトゥーだ!
隆のバカが変な事を言い出したせいで…。
僕たちはチーマーと呼ばれる人種に囲まれてしまった。
「い…いや…その…お邪魔しま…した」
丁重にその場を去ろうとしたけど…。
チーマーさんたちはそうはさせる様子はない。
やばいよ〜。
殴られるぅ!財布取られるぅ!
「やんのか!ゴラァ!」
わ!隆のバカがとち狂った!
けど、言った途端隆の奴…猛ダッシュだ。
わ!待てって!
僕も夢中で隆の後を追った。
「ざけんな!ガキ!」
「殺すぞ!こら!」
チーマーさんたちも怒号を上げて追ってくる。
捕まったら本気で命が危ない。
僕と隆は夢中で走った。


愛しのお菊ちゃんの最初へ 愛しのお菊ちゃん 0 愛しのお菊ちゃん 2 愛しのお菊ちゃんの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前