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〈利益の卵〉
【鬼畜 官能小説】

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〈利益の卵〉-4

『ちょっと顔をコッチに……イイねえ』

『脚を組んでみて。そうそう、可愛いよ』


言われるがまま、ソファーにねっ転がったり、脚を組んだり微笑んだり……美少女の、時折放つ宝石のような輝きを捉えようと、カメラは様々な角度から美優を捉え、シャッターはしきりに切られる。
育ち盛りの少女の身体は、一瞬足りとも同じ〈表情〉を見せない……腕を動かす度に、脚を組み直す度に、顔の角度を変える度に、美優はアイドルの佐藤みゆうとなって、キラキラと光りを帯びた芸術作品となる。この瞬間は、間違いなく美優が主役であり、全てを平伏させるスターなのだ。



『今日の美優ちゃんはノれてるね!!もっと元気なの行こうか』


ソファーやテーブルが寄せられ、真っ白なマットが床に敷かれ、そしてその真ん中に、真っ赤なバランスボールがポツンと置かれた。


『そのボールで遊んで。そこを撮るからさ』


少し戸惑う美優に、カメラマンは指差して指示を出した。
世間的にはまだ子供なのだろうが、小学6年生にもなった美優には、やはり抵抗があった。
ボールで無邪気に遊ぶほど、心は幼くない。


『とりあえずさ、座ったり抱き着いたりさ、なんかして遊んでよ』

「あ……はは……」


困った笑顔のまま、美優はボールに座り、無邪気に手足をバタ突かせたり、抱えて持ち上げたりしてみせた。


『よし!もっと元気に持ち上げて!!』

『飛び乗ってみよっか?そ〜れ!!』


数人の男達に一斉に言われ、それの言葉に抗えるほど美優は強くなかった……楽しくもないボール遊びを強要され、息を切らせて身体を動かし、それでも笑顔を絶やさず無邪気を演じる……ボールの動きに気をとられ、がに股で飛び乗ったり、股間を拡げたままで床に転げたりしてるのに、美優は気付いていない……カメラのピントが“ドコ”に向けられているのか、美優には知る由もない……。



「ハア…ハア…ちょっと疲れた……」


額に汗を滲ませ、美優は荒く息をついていた。
せっかく整えた髪も、今のボール遊びで乱れ、頬を赤らめて少し化粧の崩れた顔は、少女らしからぬ淫靡な魅力を見せていた。


『喉渇いた?じゃあ、アイスキャンディーの御褒美だね』

「き、キャンディー?やったあ!!」


ボールは喜べなかった美優だが、アイスキャンディーには無邪気な喜びを素直に現した。
スタッフが差し出したのは、キンキンに冷えたミルクアイス。
その袋を破り、それを差し出すまで、美優の視線はアイスキャンディーに釘付けのままだ。
そして、作り物ではない本当の笑顔を浮かべて、その冷たいキャンディーにかぶりついた。
そんなところは、やはり子供なのだ。



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