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〈利益の卵〉
【鬼畜 官能小説】

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〈利益の卵〉-29

「や…めてぇ!!……やあぁぁッ!!…やだあぁぁぁッ!!!」


オ〇ニーという卑猥な響きの単語を最近知った美優。自慰行為はしていなくても、性器に触れた時の不思議な快感に戸惑いと嫌悪感を覚えていた……そんな美優の秘め事を、処刑人達は嘲るように弄び、知らなかった牝の身体の真実を教え込む……幼器の柔らかな肉を摘んで割れ目を開き、開花させられた幼花を愛でるように摩り、赤みのさし始めた秘豆をじっくりと擽る……観客からの視線を遮るだけしか出来ないパンティーが、処刑人達の手の弄りに愛想を尽かし、少し、また少しとずり下がり始めていた……。





「嫌だあ!!ママぁッ助けてえ!!」


膝も足首も鎖で固定されている。
恥部をまさぐる指先を振り払う方法など、美優には有りはしない。
必死に足掻く身体の動きは腰の前後運動にしかならず、その抵抗する姿は、美優の心とは打って変わって淫らな腰使いにしか見えない。


『アレって感じてるのかな?』

『ふ…ふふ……もっとヤレ……』


ギロチンの板のせいで、美優からは自分の身体は見えない。
見える物といえば、楽しそうに喋る司会者と、自分の下半身に群がる処刑人達の姿。そして、それを会食しながら談笑を交わし、好奇心旺盛な瞳を自分に向けている、趣味の悪い観客の笑顔だけだ。
自分の事だけが何も見えず、下半身に何が起きているかすら、太股や臀部や幼器の触覚に頼るしかない。


「誰か…誰か止めて……お願い止めてぇ!!!」


無駄だと知りつつも、美優は叫ばずにいられなかった……自分の父親や母親のような男女も居れば、若い女性までも観客の中にはいるのだ……泣き叫ぶ姿に良心が突き動かされるのを期待したとしても、それも無理のない事……何度も、何度も美優は叫んだが、席を立つ者も、目の前のショーを否定する言葉も、誰からも出なかった………。


「ママ!!ママぁッ!!助けて…助けてよぉ!!!」


有らん限りの叫び声……その呼んだ相手、『ママ』は、今の育ての親ではなく、自分を産んでくれた母親だった……もしもまだ健在だったなら、美優は家族の顔色を伺う生活も無かったろうし、自分の美貌を切り売りする仕事もしていなかっただろう。
ましてや、こんな酷い事件に巻き込まれる事など無かったはずだ。


「ママ……ママぁぁ!!!」

ボロボロと涙が零れ、視界は完全にぼやけた。
その曇る視界の向こう側に、あの優しい母の姿があるように思えた……しかし、現実には相変わらず変質者丸出しの観客の姿しかなく、司会者の耳障りな声が鼓膜に絡み付いてくる。

沸き起こる笑い声。

亡き母を呼ぶ娘の姿さえ、誰の心も打つ事は無かった。
そう、ここに連れてこられた女性の生活環境や背景など、観客には関係無いのだ。
例え、肉親の葬儀の場から連れ去られた少女だとしても、明日に結婚式を控えた女性だったとしても……。牝は牝でしかなく、それ以上でも以下でもない。
美優の血を吐くような叫び声ですら、心地好い響きを伴う、愛くるしい鳴き声にしか受け取られていないのだ。



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