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愛しのお菊ちゃん
【ホラー 官能小説】

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愛しのお菊ちゃん6-1

デートの続きしよ…お菊ちゃん

僕とお菊ちゃんはお菊ちゃんの家?(お墓)の近くの公園に来ていた。
芝生敷きのなだらかな丘陵が広がる街中のオアシスって言った感じの広い公園だ。

僕はその芝生に体育座りでニヤニヤ。
お菊ちゃんはそんな僕の横にちょこんと正座してニコニコ。

「気持ちいいねぇ…お菊ちゃん」
微かに吹き付けてくる風が本当に気持ちいい。

「誠に清々しい気分にございます…良い物ですね、デートなる物は」
お菊ちゃんはニンマリと両目を閉じて風を感じ、緑の匂いを嗅いでいる様だ。

そんな顔を見つめてたら…。
本当に幸せな気分だけど…もっと気持ちいい事したくなってきちゃった。
「お菊ちゃん…」
僕はお菊ちゃんの手を握ろうと…。

スカッ――。

あれぇ!?
「お菊ちゃん!?大変!手が…手が握れない!!」
何度、握ろうとしてもお菊ちゃんの身体をすり抜けちゃう僕の手。

「これは…」
目をおっとりと開いたお菊ちゃん。
「お墓の中で一刻ほど休めば…また触れ合えるようになります」
ニッコっと笑って見せる。

「そっか…だから、一旦帰る必要があったんだね」
僕の問い掛けにコクッと頷くお菊ちゃん。
そうだったのか。
ひとしきり安心の僕だけど。
せっかく公園に来たんだし。
お菊ちゃんが触れられないのは残念だけど…もうちょっとお菊ちゃんを楽しませてあげたいなぁ。
「お菊ちゃん…後でお墓に戻れば、このままでいても平気?」

「はい…普段はこの様な姿ゆえ」
僕の問いにニッコリと微笑んで答えるお菊ちゃん。

そっか…良かったぁ。
でも、どうやってお菊ちゃんを楽しませてあげよう?
ん〜ん…お菊ちゃんって見掛けによらずエッチだよなぁ…そうだ!!
「お菊ちゃん…僕について来て」
僕は立ち上がるとお菊ちゃんの方に手を伸ばした。

お菊ちゃんも立ち上がり僕の手に自分の手を重ねてくる。

感触はないけど…心をつないだ僕とお菊ちゃん。
そっと公園の奥へと進んでいった。


やってる…やってる。
僕たちが進み入った茂みの陰には別のカップルが…。

「まっ!」
唇を重ね合いお互いの身体をまさぐり合っているカップルを見つめるお菊ちゃん。
口をOの字に開いて、垂れ目を真ん丸く開いてる。

僕はニッとお菊ちゃんに目配せをすると。
濃厚なキッスを繰り返しているカップルさんの姿に見入る。

お菊ちゃんも僕に習う様に茂みの前に腰を下ろし。
しゃがみ込むと茂みの向こうのカップルさんを見つめている。

そうなると僕はカップルさんとお菊ちゃんの横顔を交互に見つめちゃうけど。

お菊ちゃんは僕の視線に気を取られる事なく。
ジッと真剣な眼差しでカップルさんだけを見つめている。


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