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愛しのお菊ちゃん
【ホラー 官能小説】

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愛しのお菊ちゃん5-2

朝御飯が終わると…。
お菊ちゃんがモジモジし始めた。
その視線の先にはテレビ。
あっ!テレビが見たいんだな。
「お菊ちゃん…テレビ見よっか?」
僕はソファへとお菊ちゃんを誘う。

「えぇ…でも…」
お菊ちゃんはまだモジモジしてる。
どうしたんだろ?

「どうしたの?お菊ちゃん」

「あ…あの…そろそろオイトマしないと」

そっか…。
お菊ちゃんは帰りの道が判んなくなってるんだっけ。
でも…。
「お菊ちゃん…よかったら、ずっと居ていいんだよ」
僕は密かに思っていた事を思いきって口にした。

お菊ちゃんは黙りこくって真剣な眼差しで僕を見つめている。
ダメなのかなぁ。
緊張の面持ちの僕。

「よ…よろしいでございましょうか?」
お菊ちゃん声が震えてる。
嬉しいのかなぁ。

「もちろん!」
僕は思いっきりの返事でお菊ちゃんの気持ちを後押し。

「本当に…よろしいでしょうか?」
息を詰めた様なお菊ちゃんの声。

「本当だよ…お菊ちゃん」
僕は立ち上がるとリビングの入り口に立つお菊ちゃんに近づく。

「誠にありがたき…お言葉、菊は誠に嬉しゅうございます」
瞳をウルウルさせてるお菊ちゃん。

そんな瞳をされたら僕もウルウルしてきちゃうよ。

「俊樹さま…でも…あの一度、墓に帰らないと…」
まだモジモジしているお菊ちゃん。
そっかぁ…一度は帰りたいけど道かぁ。

「じゃあさ!デートがてら一緒に行こうか」
微笑みながらお菊ちゃんの手を両手で掴む僕。

「デ…イト?」
小首を傾げるお菊ちゃん。

デートかぁ?変換が難しいなぁ。
あっ!
「逢い引きかな」

「あ…逢い引き?」
まだポカンとしているお菊ちゃん。

逢い引きも知らないかぁ。


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