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愛しのお菊ちゃん
【ホラー 官能小説】

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愛しのお菊ちゃん2-4

「ん…あっ…床(トコ)へ…床(トコ)にて…」
恥ずかしさと、それ以外の事に身体を震わせたお菊ちゃん。
やっぱり躾けがきっちとされてるせいか。
リビングでのソファってのは恥ずかしいみたい。
でもベットならオッケーって…僕は浮かれ上がりそうな気持ちを必死で抑えると。

「わかったよ…お菊ちゃん」
僕は出来るだけ小さく笑いながら立ち上がると。
小さい手を取って、お菊ちゃんを立たせた。
そして…そのまま。

「あん…何をなさるのでごいざいますか…俊樹さま」
僕の腕の中でびっくりして目を丸くしているお菊ちゃん。

僕は夢だったお姫様抱っこでお菊ちゃんを抱き上げた。
けど…。
やっぱ重いかも。
「これ…お姫様抱っこって言うんだ」
異常な程、腕力のない僕だけど。
僕はヨロヨロしながらも必死でお菊ちゃんに笑いかけた。

「大丈夫でございますか?」
心配そうなお菊ちゃん。

「だ…大丈夫!お菊ちゃんの為なら全然大丈夫!」
確かに強がりかもしれないけど…紛れもなく本気の気持ちだ。
その僕の気持ちに…。

「嬉しゅうございます…でも…わたくしは姫などでは…ございませぬ」
そうは言ってるお菊ちゃん。
恥ずかしそうに…嬉しそうな顔で僕の胸に頭を預けてくる。
そして…。
あれ!お菊ちゃんの身体。
しっかりと感触はあるのにスッと軽くなった。
流石は幽霊さんだ。
幽霊さんならではの気遣いだ。

「お菊ちゃん…」
僕はそんなお菊ちゃんのさり気ない気遣いが嬉しくて…。
ニッと頬を綻ばせお菊ちゃんを見つめてちゃう。

「俊樹さま」
僕の胸の中からお菊ちゃんがハニかんだ様な笑みで見上げてくる。
そんな顔されちゃうと本当に嬉しくなっちゃう。

「お菊ちゃんは僕のお姫様だよ」
だから…なんてクサい事を言いながら僕は弾む様な足取りで自分の部屋に向かった。
もちろん腕の中のお菊ちゃんをしっかり抱きしめながら。

つづく


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