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Crimson in the Darkness
【ファンタジー 恋愛小説】

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Crimson in the Darkness -決意-W-3

『魔女め。人を殺しておいてそんな涼しい顔が出来るのは、我々と同じではないか?』





 薄ら笑いでそう言うヴァンパイアを相手にするでもなく、面倒そうに溜め息を吐くと右側の林に向かって右腕を真っ直ぐ伸ばした。



 ―――ガサッ



 葉擦れの音と共に林から飛び出してきた影にリアナは躊躇することなく引き金を引いていた。



 響き渡る銃声と一緒に影は地を滑るようにうつ伏せに崩れ、そしてまた、赤い液体がじわりじわりと地面を染めた。動きを止めた躯はこの国特有の漆黒の長い髪をしていて、多分……女。





『人だったらどうする? それこそただの人殺しだろうに』





 微笑しながら、ヴァンパイアは試す様にリアナに問う。





「…………人か、人でないかくらい、ちゃんと解りますよ。彼女たちは血を流しても“人”ではない。貴方が気紛れで同胞を増やそうとして、失敗したのでしょう? 血を吸われた人たち皆が皆、ヴァンパイアになるとは限りませんから」





 冷静に答えを告げるリアナ。でも、それには疑問が残る。





『ハッ 勘のいいことだなっ!』





 ヴァンパイアは両手を振り上げ、鋭い爪で空(くう)を薙ぐ。その動作からリアナに向けて、風――鎌鼬を起こした。しかも、連続して幾つも。



 リアナは横に、後ろに跳びかわすものの、迫ってくる数が異常。かわしきれないと判断したのか、いきなりその場で立ち止まった。




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