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Crimson in the Darkness
【ファンタジー 恋愛小説】

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Crimson in the Darkness -決意-W-4

 そして――



 無数の爆ぜる様な音が空気を割き、土煙が舞い上がる。





『……他愛もない。所詮人間か』





 上空からそんな声が降ってきた気がした。でも、そんなものより有り得ない事態がそこにあった。





「いい加減、見下ろすのはやめてくださいね」





 ヴァンパイアの背後に、アイツよりも高い位置にいるのはリアナ。ヴァンパイアと同じ夕闇の空の上に居る。…………有り得ない。





『なっ………ガッ!』





 振り向こうと身を捩ったヴァンパイアを振り上げた“何か”で殴った……様に見えた。





「……有り得ん……」





 後ろからしわがれた声が聞こえた。視線だけ向けてみれば、爺さんがいた。無論、シエルも……そーいや居たっけな。リアナが撃ちまくった銃声に驚いて出てきたんだった。今の今まで忘れてたな。



 勢いよく地面に叩き落とされたヴァンパイアは無様に地面にめり込むのを何とか回避し、猫の様に躯を回転させて着地してみせた。



 それに次いで、リアナも着地した。いや、……ふわふわとゆっくり降りてきたんだ。重力なんか感じさせないスピードで。




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