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Crimson in the Darkness
【ファンタジー 恋愛小説】

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Crimson in the Darkness -決意-W-2

『答えると思うか? 貴様に』





 空に浮かんだままの緋色の瞳が細くなり、唇がいやらしく弧を描いた。





「そりゃそうですよね。では、力尽くででも聞かせて頂きましょうか」





 ヴァンパイアのそれにひけを取らない位リアナは細い笑みを浮かべる。





****





 血生臭い臭気が鼻を突く。



 その臭いの元が地を染めるのは赤。それはピクリとも動かない躯から流れ出る。”生きる屍”であるヴァンパイアに血は流れていない。これはヴァンパイアに限らず、悪魔には流れていない。なのに、あり得ないはずの真っ赤な“血”がそこらじゅうに広がっている。





『…………これだけの“人間”を“殺して”おいて顔色一つ変えないのか』





 これまでずっと空から見下ろしていたヴァンパイアは嘲笑した。そんな侮蔑の言葉にリアナはただ静かに無表情で無感情な瞳を向けるだけ。ただ右手に持った銃の引き金には指が掛かったまま。





「“殺す”? あなた方がそれを言うのですか?」





 表情一つ変わらない。いつもと違う冷えきった隻眼を携えて。




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