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Crimson in the Darkness
【ファンタジー 恋愛小説】

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Crimson in the Darkness -決意-W-1

 教会の外―――



 夕闇に染まる空に浮かぶのは漆黒を纏った金色の影。例のヴァンパイアだ。憎々しげに見下ろす緋色の瞳は今まで以上に憎悪が込められていた。





『……今度こそ殺してやる』





 黒衣が風に揺れ、たなびく袖は不自然でオカシイ。





「左腕、どうされたんですか? 肩から先が無いようですが」





 ニコニコと笑いながら、リアナはヴァンパイアに声を掛けた。物怖じなどせず、飄々と。





『…………貴様には関係ないっ』





 全く変わらないリアナに対してヴァンパイアは苛ついた様に険しい表情を浮かべる。





「…………逆鱗に触れた、と言ったところでしょうか。あなた方の主人は気が短いですからね」



『貴様! 何をどこまでっ!?』





 穏やかなリアナに対して、虚を突かれて驚いたのか、ヴァンパイアは紅い瞳を丸めた。すると、リアナは口端を小さくつり上げる。





「あなた方の主人は知ってますよ。しかし、解(げ)せません。何故、貴方は海を渡れたのですか? 流れのある水は渡れないのがヴァンパイアですよね。文明の利器である飛行機も同じだし……何故ですか?」





 あいつらのテリトリーは本来なら本国周辺。この国までは入ってないはずなのは確かに引っ掛かるところだ。それに本国でもそれが未だ解ってないのか。




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