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常盤高校 柔道部
【スポーツ 官能小説】

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常盤高校 柔道部4-4

階級を下げた方が技の切れがますのでは…と言う猪熊先生のアドバイスを受けて早乙女さんは減量に取り組んでいたのだ。
「ふ〜ん」
口先でポテトをくわえた。
美登里ちゃんがニヤニヤと笑っている。
「な…なに…」
そんな目で見ないでよ美登里ちゃん…緊張しちゃうよ。
「啓太さん…綾香さんの事よく知ってんだね」
あちゃ〜美登里ちゃん、この手の話も大好きな年頃だった。
「が…が…が…がこ…学校も一緒だし…」
僕は明らかに動揺しまくりだ。
「ねぇ?綾香さん…胸の谷間に黒子あるの知ってる?」
「ぶはっ!」
突然の美登里ちゃんの言葉に僕は飲んでいたコーラを吐き出しそうになった。
「ねぇ?見た?」
美登里ちゃんは小悪魔の笑みを浮かべてる。
「な…ないよ!で…でも本当に黒子あるの?」
僕は興奮と興味を隠しきれない。
「嘘ぴぉ〜ん」
美登里ちゃんは弾ける様に笑った。
「なんだよ…もう!」
僕もつられて笑いだした。
「啓太さん…顔真っ赤!」
美登里ちゃんはまだ笑っている。
「美登里ちゃんが変な事言うから…」
僕は笑いながら…こんな妹がいたらいいなぁ、なんて考えていた。

“来週の連休…TDLに連れててよ”帰りがけに美登里と約束してしまった。
僕はニヤニヤしながら来週の事を考えた。
僕はロリコンじゃないけど…美登里ちゃんのデートはまんざらでもない気持ちだった。
それにしても、ここんとこ恐ろしい程ツイてるなぁ。
これは今までイジメられてきた事への神様からのご褒美なら。
どうぞ皆さん、どんどんイジメてって感じだよねぇ。
そんな事を考えながら家の近くの神社の前を通りかかった時だった。
「さ…早乙女さん!?」
ジャージ姿の早乙女さんが神社の百段近い石段を使って階段ダッシュの真っ最中だった。
もう何本もやっているのだろう。
ポニーテールの前髪は汗で濡れて額に張りつき…精悍な顔も汗まみれだった。
「おぉ…軽部!」
僕に気がついた早乙女さんがニコリともせずに言った。
「ま…まだ練習してたんだ…」
僕は例によって緊張しまくり。
「もうすぐ…三年生の先輩方との最後の大会だからな」
やっと早乙女さんが小さく笑った。
武骨な感じすらする笑顔だけど。
何故かドキドキしてしまう。
「団体戦のメンバーに選ばれた以上は先輩方の足を引っ張る訳にはいかないからな」
早乙女は気を引き締める様に喋り終わると口元をぐっと引き締め頷いた。
「頑張って!早乙女さん!僕の出来る事があったら協力するから」
僕は自分の胸の前で両手をグッと握って鼻息を荒くした。
早乙女さんを応援したい。
この気持ちに嘘偽りは無かった。
「随分…男らしくなったな…」
再び早乙女さんの口元に小さな微笑みが浮かんだ。
う〜ん、やっぱ眩しい。
早乙女さんは戦う骨太ビーナスって感じだよね。
「まぁ…そのうちに何かあったら頼む…」
早乙女さんはそう言って石段を猛ダッシュで駆け上がって行ってしまった。
「あっ!待ってよ〜早乙女さ〜ん」
僕は慌て…ヨタヨタと早乙女さんの後を追い掛けていった。

気合いが入りまくっているのは早乙女さんだけでは無かった。
黒江部長や園田先輩を始めとする三年生はもちろん。
高村先輩達、二年生も。
“頑張るよ!軽部君!”香ちゃんまで気合いは入りまくりだった。
そんな空気の中、僕ひとりがふわふわ…フラフラしていた。
早乙女さん始めみんなに協力する気はありありなのだが。
ついつい気持ちは美登里ちゃんのデートに向かってしまう。
本当に軟弱者で困った僕だった。


つづく


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