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調教物語
【その他 官能小説】

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調教物語(その2)-2

しかし、ネットを始めたのは、初めから相手を求めていたわけではない。
彼女なりにネットでの恐ろしさは知っていたし、
その点では彼女も初めは用心深かった。

その恭子は、訪れたネットの中で研二郎という男性の存在を知った。
研二郎も彼女の存在を意識し、他の女性達とは違う何かを恭子に感じていた。
(彼女ならリアルで逢って、いつかは、自分の女になれるかもしれない)
そう直感した。

だが、彼は他の男がするように、何とか理由を付けて直ぐにでも逢おうとは思っていなかった。

それに、恭子自身も次第に研二郎を安心できる男と感じたからだった。
その彼女にSMの喜びを少し教えたいと思う研二郎の心が
彼女の心と一致したからである。

研二郎は焦らなかった。

その為に、まどろっこしいかも知れないが
彼女にネットでの調教をすることから研二郎は始めたのである。

今までの研二郎からすれば、
実際に数々の女達を縛り、叩き、吊した経験からして意外だったが、
彼が恭子に興味を持ったのは、無垢の女から仕込むのも又楽しいかもしれない
・・という単純な気持ちだった。


「SM談話室」はネットという無責任な空間を利用しながら、
ザックバランな話題で、好きな者たちが集まり盛り上がろうというものだったが、
いざ始めてみると、思いの外面白い。

この世の中には多くの男女が居るが、意外とこのSMという世界は深い。
アングラな世界ではあるが愛好者は少なくない。
勿論、研二郎もその一人である。

ネットという安全地帯では、
慣れてくると、特に女は本当の気持ちを素直に吐露してくる場合が多い。
言い換えると、そういう自分の気持ちを告白したくなるのである。

「自分の顔も、名前も誰にも分からなければ、こんな自分の気持ちを伝えたい。
聞いて欲しい、自分はこんなに虐められることだけにしか濡れず、
興奮しない女なの、こんな自分を嘲笑って欲しい、
馬鹿にして欲しい、惨めな女だと見下して欲しいの・・」
そう思うだけで、告白するだけで濡れてくる女もいるのだ。

空想や願望で言う女もいるが、しかしこういう真のM女は少なくない。
そういう女達や、SやMの男達の会話も興味深いというものである。


研二郎はネットという文字だけの世界で
知り合ったばかりの恭子という女を調教することにした。

初めは、ネットという媒体を通じて彼女を調教するのだが、
彼はネットでもリアルでも気持ちは同じだった。

その女を目の前で裸にして、縛ろうが叩こうが
文字だけで虐めようが、その本質は変わらなかった。
それは女の心を捕らえ征服し、
心から従わせるという行為には変わらないからである。

そうは言うもののリアルでの調教が最高であるのは言うまでもないが、
ネットでのこの方法も悪くない、それはディナーの前の前菜のようで、
その後に出てくるフルコースの為のものと思えば、それも一興というものである。


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