WAKE UP!-4
「ねえ、一緒に暮らそうか…?」
「え…」
彼女は目を見開いて僕を見た。
「ごめん。つい…。」
僕は口元を手で押えながら彼女を放した。
今日みたいな事があって、確かにソレは僕の本音ではあったけど、急がせるつもりはなくて。
「謝らないで。撤回しないで」
「え…」
今度は彼女が僕を抱きしめた。
それって。
「いいんですか?」
「うん」
なんてこった。
彼女から飛び込んでくれるとは。
うなずく彼女に迷いは感じられない。
力まかせに愛して、彼の影を断ち切った。
僕はずっと先へ先へ行きたがっていたが、傷心の彼女をふりまわしてはだめだとずっと押えてこんでいた。
いつでも彼女は、僕に応えてくれていた。
だから。
もういいかな。
そんな風に思えて来ていたのも確かで、だからつい口から出てしまったのだ。たぶん。
僕は彼女からのサインを見落としていたのだろうか?
否定されるのが怖くて、言い出せなかった言葉。
無意識のままにでてきた想い。
僕はもう一度口にした。
これは既に疑問ではなくて確定事項。
「一緒に暮らそう…」
「うん」
僕らはくちづけを交わして微笑んだ。
ダメだ、ある意味地獄だ。
「…ごめん、やっぱり先に謝っとく」
彼女は不思議そうに僕をみた。
「…美里さんが欲しい。…今からホテル行きません?」
「あ。 あはは」
彼女は大きな声で笑い出す。笑いすぎて涙がこぼれるぐらい。
屈託のない様子に僕は安心した。
「笑いすぎ」
彼女の額をちょんとつついて。
「でも…一緒に住むなら、もう、なにが聞こえてもいいかな。」
「えっ。だ、ダメっ。それはダメ」
「どうして。健全な男と女の有り様だよ。神さまもご照覧あれ、だ。」
狼狽えはじめる彼女が可愛くてついいじめてしまう。
僕の女だ。誰も手出しするな。大声で叫んでしまいたい気もするが。
いろいろ別次元の思惑が絡まって、さすがに、僕もそこまで開き直れない。
だから、これは。
「冗談」
「圭さんのばか。もう…」
彼女が口を尖らせる。