投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

WAKE UP!
【大人 恋愛小説】

WAKE UP!の最初へ WAKE UP! 0 WAKE UP! 2 WAKE UP!の最後へ

WAKE UP!-1

僕と美里さんがつきあい始めてもうすぐ1ヵ月になる。
とはいっても僕らの生活時間は逆転しているから、一緒に過ごすのは彼女が休みの日だけ。
会社員の彼女の休みはカレンダー通り。バーテンの僕の休みは日曜のみ。
あとは、前と変わらずゴミ出しの時に会うぐらい?

土曜で彼女は休み。
僕は自分の部屋でシャワーを浴びてから、美里さんの部屋へ行く。
彼女にもらった合い鍵で彼女の部屋に入る。
なるべく静かに入るのだけど、彼女はロックが外れる音で目が覚めてしまうらしい。
起きなくていいんだ、僕はそばで眠りたいだけだと、何度か言ったら起きてくることはなくなった。
僕は静かに眠る彼女の隣に潜り込む。
彼女は目覚めていて僕だと認識しているのだろうけど。なにも言わない。じっとしている。
最初は抱きしめたりキスしたりもしたけど、そうすると修行の足りない僕は次を求めたくなる。
このアパートで声を押し殺して行為に没頭しても、声が漏れてしまう気がする。それは避けたい。
実際、僕の部屋で聞いたことがあるし。まあ、僕は昼間に寝て夜はいないから1度だけだけど。
そもそも、そんな状態じゃ僕が眠れなくなってしまう。
結局、今の形になってる。
彼女は背中側を空けてくれる。それが僕のスペース。
彼女の背中に頬を付けるとなんだか安心する。
温かかな彼女の身体を感じているけれど、静かに落ちついている。
彼女に護られる歳でもないのに。子供に戻ったような感じ。簡単に眠り入ってしまえる。

僕は昼頃まで眠り、起きたときに彼女とご飯を食べる。
そのあとで、買い物に出かけたり、シロの散歩をしたりしてたら僕の出勤時間になってしまう。
日曜には僕の退けるのを待ってもらってホテルで1日だらけてみたり。
空手道場は平日行って(平日の昼間は主婦や年配の方が健康づくりをされる)なるべくなら土日は避けたいのだけど、土日は子供たちがくるから、人数やクラスによっては引っ張り出されることもある。今日は出ない予定。
もちろん、彼女にも彼女の都合があるから、いつもぺったりしてるわけではなく。
これがいつもの生活パターンになりつつある。





ピンポーン。

チャイムが鳴って目が覚める。
彼女は僕の眠りが深くなった頃を見計らって起きてしまうので布団の中は僕ひとりだった。
セールスか宅配か。
でも、彼女の声も相手の声も聞こえない。

カッチャン。

ドアがしまった音だけが聞こえてくる。
チャイムや電話が鳴って目が覚めても、すぐに寝入ってしまうのだけど、いつもと違う様子に身体を起こした。

「美里さん?」

返事はない。
そこらに立っている気配もない。

誰か、彼女を訪ねて来たらしい。
彼女の交友関係に口を出すつもりはないが、それだったら、帰ったほうがいいな。
親とかだったら、ひとまず挨拶しておこうか。でも、あんまり印象よくないな。これは。

僕は玄関までいって、ドアのレンズ部分から外をみた。


WAKE UP!の最初へ WAKE UP! 0 WAKE UP! 2 WAKE UP!の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前