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海螢
【SM 官能小説】

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海螢(美奈子の場合)-6

縛られ、吊された体の陰部を執拗に器具で責められながら、双臀のすぼまりに浣腸液を注ぎ込ま
れる。美奈子が滴らせる濃密な愛液の臭いを男たちは貪るように嗅ぐ。排泄に耐え、苦痛に喘ぐ
美奈子の開かされた下肢の足元に置かれた白い便器…。

その便器を股間に置かれただけで、子宮の奥底をえぐられるような疼きが性器の襞を潤ませ、痺
れるような快感が襞を震わせる。注ぎ込まれた浣腸液が、腹部の中でうねる排泄感に美奈子は襞
を喘がせ、脱糞と同時に登りつめることさえあった。


嘲笑う男たちの目の前で、恥辱に晒されることがいつの間にか性の快感となっていた。


…いい顔をしている… そんな男たちの妖しい言葉によってすべてを忘れることができた。




久しぶりにあの喫茶店を訪れた。隅のテーブルに座ると、あのウミホタルの写真を正面に見るこ
とができる。ムラタは美奈子と別れてからは、この喫茶店を訪れることはなくなった。

淡い飴色のスタンドライトの灯りの中で、まるで青白い光が写真から抜け出たように空中を浮遊
しているようだった。
カプチーノの白いクリーム状の泡がふわりと蕩けるように口の中に広がった。ゆるやかなバラー
ドを奏でるサックスの音にあわせるように、ウミホタルの青い光と影が漂う。
美奈子は、ゆっくりと煙草に火をつける。




…ミナちゃん…今夜いいかな…初めてのお客さんなんだけど…ご指名だよ……今夜はプレイルー
ムがいっぱいだから、いつものSMホテルつかってよ…八時に予約いれてあるから…


ルシアのマネージャーが、電話の先でいつものように早口で喋る。


…ああ、それから…よかったら本番もお願いね…




飴色の灯りが漂うSMホテルの石肌の壁に囲まれた部屋の中で、美奈子は自分の意識とは
別のところで、胸の中が淫靡に疼き始めているのを感じていた。


…やはり、きみだったね… プレイの相手は、五年ぶりに会ったムラタだった。


濃い化粧をした顔と赤い派手な下着姿の自分を見られることが、なぜか恥ずかしかった。


…その下着を脱いでくれ…


美奈子はムラタの瞳を避けるように、その下着を床に脱ぎすてた。何となく腿をよじり、胸を隠
すように掌をあてる。客の前で裸を晒すことに慣れていたが、ムラタの目の前ではなぜか戸惑い
と後ろめたさを感じた。


…あの頃と変わらないきれいな体だ…

ムラタは無機質な表情を崩すことなく、以前と同じような低い声で囁いた。


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