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寒い夜の拾い物…
【OL/お姉さん 官能小説】

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寒い夜の拾い物… 第二章-1

 初めて美樹が家に来てから二週間後の土曜日の事だった。
 両親は泊まりがけで旅行に行っていて姉も朝からどこか出掛けてしまい、家には健司一人だけだった。
 何もする事が無く暇でゴロゴロしていると携帯が鳴り、姉の夏美からの電話だった。
 夏美は
「あっ、健司、今家?良かったぁ、今日ね、美樹が家に来るんだけど私まだ二時間位しないと帰れないの、美樹に電話したんだけど繋がらなかったからさ、もし家に来ちゃったら適当に相手してあげて」
と一方的に話し始めた。
(えっ、美樹…ってあの美樹さん?嘘っ?)
 慌てて健司は電話の相手の姉に
「いや、無理無理無理、本当無理だって!」
と言うと姉は笑いながら
「あんた何慌ててんのよ、別に平気でしょ、あっ、そうだ、美樹さぁ健司の事格好いいって言ってたよ、良かったねぇ、じゃ、よろしくね」
と言うと電話を切ってしまった。
「おっ、おい、だから無理…って切れてるよ…ハァ」
 健司はため息をつきながらこれからの事を考えた。
(まぁ別にこの前の事覚えてる訳じゃ無いんだから…普通に対応すればいっか)
 そう考えて居間を掃除していると十分程してチャイムが鳴った。
 玄関に行きドアを開けるとそこには前回と同じように天使のような笑顔で美樹が立っていた。
「いっ、いらっしゃい、さっき姉から電話があって、まだすぐ帰れないからとりあえず家で待っててくれって、姉から電話無かったですか?」
 緊張しながらも美樹を家に上げてそう言うとちょっと困ったような顔で
「そうなんだ、携帯今朝壊れちゃって、今日夏美と一緒に買いに行こうと思ってたんだ」と答えた。
「そうだったんですか、あの…とりあえずコーヒーでいいですか?」
 居間に美樹を招き入れそう言うと
「うん、ありがとう」
とまた天使の微笑みで答えてくれた。
 しかし健司がコーヒーを淹れていると美樹は突然、恐ろしい事を聞いてきた。
 彼女にしてみれば別に深い意味は無かったのだが健司にとっては心臓が止まるような事を…
「ねぇ、健司君と私、前にどこかで会った事無かったっけ?何か前に会った気がするんだけどなぁ…」
 それを聞いた健司はうろたえながらも
「あの…ほら二週間前に、この家で会いましたよね…」
と苦し紛れに言った。
 そんな健司の言葉に美樹は笑いながら
「もう、そんなの私だって覚えてるよ、そうじゃなくてもっと前にどこかで会ったような気が…この前ここに来た時もそう思ったんだ」
と思い出そうと上の方を見て考え始めてしまった。
 健司は慌てて
「いやっ、美樹さんみたいな綺麗な人に会ったら俺、絶対忘れる筈ないから…会った事無いですよ、絶対に」
と一生懸命に誤魔化そうとした。
 すると美樹は嬉しそうな顔で
「健司君お世辞うまいのね、ありがとう、じゃあやっぱり私の勘違いかなぁ?」
と言いとりあえずは納得したようだった。
 しかし健司がホッとしたのも束の間
「あっ思い出した」
 またも突然美樹は健司に向かって言った。
 健司はビクッと飛び上がり今度こそヤバいと思い恐る恐る振り返ると、美樹は目をキラキラと輝かせ
「健司君、私が昔好きだった人に何となく面影が似てるんだ、そうだ、ウンウン…って何で健司君そんな驚いてるの?」
と不思議そうな顔で見ていた。
(もぅヤダ…死にそう、姉ちゃん早く帰ってきてぇ)
 そう思いながらも
「いやっ、美樹さんの好きになった人に似てるだなんて光栄だなあ、なんて…ハハハ」
 わざとらしく笑いながら答えた。


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