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改:愛・地獄変 〜地獄への招待〜
【鬼畜 官能小説】

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改:愛・地獄変 〜地獄への招待〜-10

私は、あまりの妻の狂乱ぶりに呆気にとられておりました。が、何とか妻をたしなめて、その騒ぎを納めました。私にしても、はらわたの煮えくりかえる思いではございました。が、娘の将来のことを考えて、この騒ぎはそれで終わりにしたのでございます。
しかし妻と私の間に、このことにより埋めようのない亀裂が生じてしまったことは、改めて申すまでもございますまい。私は、妻の口汚い罵りを一晩中聞かされました。が、私の耳には届いておりません。唯々、娘のことばかりを考えておりました。
成熟し始めた娘の体つきや細やかな仕草。それらに歓喜の情にふるえていた折りでもあり、唯々聞き入っておりました。唯々、娘のことばかりを考えておりました。そんな私の心を見透かされたような錯覚に陥り、冷や汗がどっと・・。半狂乱の妻の罵倒は、夜明けまで続きましたのでございます。

正直に申し上げましょう。それ以来しばらくの間、毎夜の如く悪夢に悩まされました。

林の中を逃げ回る娘。追いかけまわす数人の男共。右に左にと逃げ回る娘に、三方四方から男共が迫るのでございます。娘の足は擦り傷だらけになり、赤い血が滲んでおります。
木々の枝にブラウスが破られ、次第に白い柔肌が露わになっていくのでございます。男共は、そんな娘の露わになっていく肌に、より凶暴になっていきますです。とうとう一人の男に掴まり、落ち葉の上に押し倒されてしまいます。

「いや、いやぁ!」そんな娘の叫び声は、男共の劣情をそそらずにはいません。
「やめて、やめてぇ!」娘の懇願の声も、男共の嬌声にかき消されてしまいます。いえ、娘の懇願の声が、更に男共の凶暴さに火を点けるのでございます。
何ということでしようか。娘が、私の娘が・・・。男共に陵辱されているのでございます。泥で汚れた手が、ごつごつとした手が、娘の漆黒の髪を掴んでおります。気も狂わんばかりでございます。
”待てっ!待てっ!待ってくれ!それだけは、止めてくれ。今までのことは、許そう。水に流そう。後生だから。それだけは、それだけは、止めてくれぇぃぃ!”

断じて許すことはできません。八つ裂きにしても足りない男共でございます。もう私には気力がございません。お話しする気力が、ございません。もう、このまま死にたい思いでございます。まさしく地獄でございます。・・・地獄?そう、地獄はこれからでございました。
実は不思議なことに、男共には顔がなかったのでございます。勿論、その男共を私は知りません。見たことがありません。だから顔が無い、そうも思えるのではございます。しかし、・・・。そうですか、お気づきですか?ご聡明なあなた様は、全てお見通しでございますか・・。

”申し訳ありません!申し訳ありません!!”
私は、犬畜生にも劣る人間でございます。
“殺してください、私をこの場で殺してください。この大罪人の、人非人を!”
そうなんでございます、男共は、全て、私の顔を持っていたのでございます。・・・、私の顔を・・・持っていたのでございます。

蝿が飛んでおります、銀蝿でございます。あの野糞にたかる、汚わらしい銀蝿でございます。ぷーんぷーんと音も五月蝿く、飛び交っております。死人にも似た私目の周りを、飛び交っております。手で払いのけるのでございますが、中々に立ち去ろうと致しません。
立ち去らない?虫けらに立ち去らないなどという言葉を使う私、ふふふ、気が狂れたのかもしれませんな。実は、実は・・、その銀蝿・・。どうぞ耳を塞いでくださいまし、後生でございますから。おぞましいことに・・、この私目の顔を持っているのでございます。何と、何と言うことか、この私が、銀蝿などと!


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