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改:愛・地獄変 〜地獄への招待〜
【鬼畜 官能小説】

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改:愛・地獄変 〜地獄への招待〜-16

(終わりに)

ここで、老人の言葉は終わりました。出席者の誰も、一言も声を発しません。静寂がこの場を取り仕切っております。

「お父さん、又他所の家に上がり込んで。だめですよ。申し訳ありません、みなさん。お通夜の席をお騒がせ致しまして、本当に申し訳ございません。」

清楚な顔立ちのご婦人です、松坂慶子さんとは似ても似つかぬ顔立ちです。と、背筋をピンと伸ばして話しておられた老人が・・・。突如よろよろと立ち上がり、そのご婦人の元に近寄られます。

「おぉ。小夜子、小夜子・・。どこに居た、どこに居た?わしを一人にしないでおくれよ。」
弱々しい老人の声が、耳に残ります。
「はい、はい。お家に帰りましょうね。皆さま、ごめんください。」
そしてその言葉と共に、深々と頭を下げながら去って行かれました。

二人が去った後
「ふーっ。」と、皆が一斉にため息を吐きます。重く澱んだ空気が部屋全体をおおっています。タバコの煙があちこちから漂い始め、開け放たれた窓から外へと流れ出ていきました。


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