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幼なじみの法則
【幼馴染 恋愛小説】

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幼なじみの法則@-4

『あぁ、みっくん』


みっくんは、中1の夏にどこからだか引っ越してきて、うちの中学に転校してきた男子。
転校したてから男女共にモテモテだった彼とは、中2で同クラになり仲良くなった。
そんなみっくんは最近、必要以上によく話しかけてくる。


「英語さー今日のトコさっぱりわからんくて!!今日当たるから写させて!!」

『そうやって写してばっかじゃ自分の為になんないじゃん。
わからない所なら教えるから、自分で訳しなよ』

「出たよ、かなこのアネゴ肌。
んじゃさー、まずこの文なんだけど....」


みっくんは私の呆れた表情にものともせず、ニカッと笑ってわからない文法を聞いてきた。

アネゴ肌....ねぇ。
そういえば確かに。それも私の代名詞っぽくなってる。
健吾にこんな言葉聞かれたら、きっと吹き出されるんだろうな。
健吾の前では甘えただもん、私。



――――ふいに視線を感じた。

あ〜、ヤバ、女子だきっと。
みっくんと2人でいるのが気に入らない、といった所だろう。
私はすかさずヘルプを呼んだ。


『実はあたしもこのページで自信ない訳があって....
よかったら教えてもらえるかなぁ?』

「え、私で良いの?私も合ってるか自信ないけど....」


その子は上機嫌であたしとみっくんに英訳を教えてくれた。
ふー、機転が回った....


最近、こんな事が多すぎる。
みっくんがあたしによく絡んでくるせいだ。

みっくんは、転校して来た2年前は、同学年はもちろん上級生にもモテていた。3年である現在は、下級生にもモテている。
いろんな女子に告られてフッたと、噂で聞いていた。
だけどそれよりもあたしは、みっくんがすぐにいろんな子を好きになって告っている事の方が記憶に残っていた。
ずっと健吾だけを見てきたあたしとしては、そんなすぐにあっちこっち好きになるという感情が全く理解できないのだ。

そんなみっくんが、今度はあたしを狙っているらしい。
女子のご機嫌とりには疲れるけど、まぁみっくん本人は決して悪い人ではないし。
じゃないと、同性にまで好かれない。
だからあたしはそんな気にしていなかった。

“どうせそのうち飽きるだろう”
そう思っていた――――。


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