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幼なじみの法則
【幼馴染 恋愛小説】

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幼なじみの法則@-3

「かなは理数系は問題なしだな。暗記も得意みたいだし、英語も社会系もまぁ問題ないだろ。
あとは....」

『国語。の、感情の読み取りを何文字以内で〜ってヤツ。』

「わかってんじゃん。」

『ん〜、ハッキリとした答えのない問題ってどうも苦手なんだよねぇ。』

「....かならしいな」


健吾がくしゃっと笑った。
笑ってるのに、どこか寂しげで、切なくなるような優しい笑顔。
その一瞬だけで、胸がきゅーっと締め付けられた。
何それ....?健吾、そんなの反則だよ....


「だからさ、....とか....よ。まだ....だろ?」

『....えっえ!?何!?聞こえてなかった!!』

「....だからね、本とかたくさん読んでみろよ。まだ追い込み時期じゃないし、かなの成績なら少しの骨休みくらいあっても良いだろ?」


さっきよりも強めのチョップをくらい、今日の勉強は終わった。

いっ....たぁ!!痛ぁ!!
だって!!健吾があんな笑い方するから....


お母さんが30分くらい前に出してくれたお茶を健吾がごくんと音を立てながら飲み干し、席を立った。

帰り際に一言、マンガ以外だぞ、と残して。
頭を押さえたまま、わかってるよ!!という私の叫び声を残して。

中学校ではこんな姿、誰にも見せた事がない。
健吾は、家族を抜かせば唯一、私が甘えられる存在なのだ。





――――――――――

家庭教師を受けた翌日、今日は金曜日。
今日から火曜日まで、私の意味のない日常が始まる。

と言うのも、家庭教師を受ける際の健吾から出た条件が【火曜日と木曜日なら】との事だからだ。
きっと金・土・日は遊んだりするからだろう。月曜日も振替休日とかあるし。
大学生だもんね。そりゃ夜中まで遊んだりする事もあるもんね。
夏に窓を開けて過ごしていた時、夜中に車が止まる音や“ばいばい”“またな”といった、いかにも【遊んでました】的な声が聞こえる事が何度もあった。
その声の中にオンナノヒトの声が聞こえた事だってある。
そりゃ、あたしだって男友だちと遊ぶ事はあるけど....

大学生ってなんか、大人。
あと半年もすれば私も高校生になるのに、【高校生の自分】が全く想像つかない。
そんなだから、大学生がどんな遊びをしているのかなんて考えが及ばない。
あたしもあと3つか4つ早く生まれたかったな....


「かなこ!」


突然声をかけられ、いままで考えていた事がかき消された。


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