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異界の狂宴
【ホラー 官能小説】

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異界の狂宴-3

次の日、俺と酒井はすぐさま図書館に出かけた。だが目新しい資料は見当たらなかったが
その鬼を討ったという武将の子孫が現在この町の町長を勤めてるという
情報が得られたので俺と酒井は町長にアポイントメントを取って取材を要請した。
町長は取材を快く応じてくれた。
このいきさつを町長に話した。さらにはこの町に伝わる伝説を町長に話した。
「おそらくこれはこの村にかつていた邪教の集団なのかも知れませんね。
その邪教の集団が鬼の正体ですよ。」
町長の話によるとこの村には隣の山から幼女を生贄にする邪教の集団がおり村から
いつも少女をさらっていった。そこへこの町長の祖先の武将と兵士とその家族、
さらには同行した僧侶と神主が落ち延びてきた。この村長は最初は拒んだ。
しかしこの武将をかくまうのを嫌がったというより新たな犠牲者を出したくなかったからである。
その邪教集団の乱行にこの武将は「けしからん!!この外道共を成敗してくれるわ!!」と激怒。
兵士も疲れてるのにも関わらず家族を思う気持ちは村人と同じと疲れを忘れ、その邪教集団の
討伐に参加した。さらに邪教という事もあって僧侶と神主も同行した。
武装した邪教集団が村に来てまた幼女をさらおうとしたのをこの武将と兵士が襲った。
源平合戦で戦った実戦経験やこの武将の用兵術もあり邪教集団はひとたまりもなく退散した。邪教に対抗すべく
僧侶も読経し、神主は注連縄で邪教集団が村に入れないように結界を作った。
村長と村人は彼等に感謝して村に匿うことにした。その後室町時代にこの一体を支配した守護大名が
彼等に支配下に入るように使者を送るまでこの村は閉ざされていたという。今では
近くの平野にもこの武将、兵士たちの子孫が住んでいる。どうやら町村さんの言ってた事は間違いではない。
「で、その邪教集団はどうなりました?」
「さあ・・・。多分もう解散したのではないでしょうか?」
「実はこの映像を見て欲しいのですが。これはこの温泉街の駅で撮られたものです。」
その映像を見た時町長の顔が一変した。
「この事に関わらない方が身のためだと思われます。」
「なぜです。」
「関わるべきではありません!!」
「私たちはこの町の禁忌を破るつもりはありません。ただ事の真相を知りたいだけです。
教えてください。この映像に写ってる人影は何なのか?何故この町はその近くに住んでる人の子に
詳しく伝えないのか?それを知りたいだけなんです。」
「私が心配してるのはあなた方の安全なんです。これに深入りするとあなた方の
生命に重大な危険を及ぼします。それがわからないのですか?」
「無理はしません。町にご迷惑はおかけしません。ただ真相を知りたいのです。」
「そこまで言うなら・・・ただ条件があります。
何かあったら討伐に参加した神主が作った結界のある注連縄まで走ってください。
その注連縄は裏の山の途中にあります。そこに行けば真相がわかります。」
「わかりました。ありがとうございます。」

俺と酒井は町の神社でお守りを買い、神主に頼んで厄払いをした。
その神社は邪教集団討伐に参加した神主が建てたもので
その武将が祭神だった。そして裏山の登山に出かけた。
酒井がHDDカメラを手にして撮影、俺はこの山を半ば実況するという形で撮影が行われた。
山は山道が整備されていて観光シーズンともなるとハイキングに出かける人も多いという。
その山の途中で結界たる注連縄を見つけた。注連縄は木と木の間に結び付けられていた。
その結果を俺と酒井が潜る。
結界の中にはただ森だけが広がっていた。
「森だけで何もなさそうですね・・・。」
「ここは結界じゃないのかな?」
でも町長に言われた結界はたしかにここのはず・・・。
あたりを探したが何もない。夕方になって薄暗くなったので撤収しようとしたその時だった。横を見るとそこには存在しなかったはずの藁葺き屋根の民家が遠くから見えた。


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