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異界の狂宴
【ホラー 官能小説】

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異界の狂宴-1

ここは雑居ビルの一室。ここが俺の職場である、「ナスタビデオ企画」がある。
この会社では全国からの投稿者から送られてきたビデオ・DVDを映像を検証し、必要があれば
取材して契約している大手ビデオ配給会社に売っている。その内容はズバリ心霊である。
題名は「恐怖の心霊映像!」である。ちなみに内容はいずれも本物でやらせは一切ない。
それがまた大多数のファンやマニアに好評でもう5年もこの企画が続いている。
俺はそこの編集長といったところか。一応会社としては部長で取締役となっているが
直接取材も行う。現場が長かったためにどうしても自分の目で見ないとダメな性格になってしまったようだ。
一室から主任の酒井が部下の森下に怒鳴りつけている。
「取材に行きたくない!?ふざけんなよ!お前今年でいくつだよ!!」
「いえ・・・もう怖くて・・・。」
「それが仕事だろ!!」
俺はたまらず二人の間に入る。
「酒井、もういいだろう。俺が行くよ。俺とお前で行こう。」
「でも村沢さん、俺は納得できませんよ!」
「この画像はどうも危険な匂いがするんだ。まだ入社したての森下には無理だ。
実際森下には不可解な現象が起きてたのは事実だろう。」
「でも・・・。」
「もう社長には俺が話した。俺とお前の久々の取材になるぞ。」
「わかりました・・・」
森下が頭を下げて俺に謝る。
「申し訳ありません・・・。」
「いいんだ。この動画は最初見た時から何故か新入社員にはちょっと荷が重くて危険だと思ってたからな。」

事の発端はとある鉄道マニアから送られてきたDVDだった。それには鉄道会社が
キャンペーンで運行してた蒸気機関車が昔使ってた旧式の客車を牽引して運行する
臨時快速列車が駅に到着、出発する風景が収められていた。だが蒸気機関車を撮ってた時に
機関車にダブるように二体の人影らしきものが写っていた。そのマニアと取材を受け
インタビューを行った次の日にそのマニアが原因不明の交通事故に遭った。
そのマニアの乗ったバスが玉突き衝突に巻き込まれた。運転手やマニア以外の客は
無事もしくは軽傷で済んだが、そのマニアだけどうやって飛んできたのか、
前を走ってきた乗用車のバンパーが肩に刺さったのだ。そのマニアは今も病院で
意識不明の重体で集中治療室に入院しているという。
さらにその直後、森下がアパートの自分の部屋でやはり二体の人影を見るようになったという。
そんな事で森下はすっかり怯えるようになった。俺もこれは危険だと思い、俺と酒井という
ベテランで行く事にした。ちなみに俺は38歳、酒井は32歳である。こんな職業なので
今でも独身である。

俺と森下は新幹線でその路線と接続する駅に降りるとそのままその路線の普通列車に乗って
問題の温泉街の駅に向かった。そして近くの国民宿舎のホテルを宿泊地とするとそのまま聞き込みを開始した。
また駅にも許可を取って駅員や許可を出した駅長にも聞き込みを行ったが満足な答えは得られなかった。
そこで明日、この町の図書館で資料を集める事とし、今日は国民宿舎に帰ってきた。
観光シーズンというわけではないがロビーは家族連れの客がたくさんいた。
すると幼い女の子連れの30代夫婦が何か話しながらロビーに降りてきた。食事なのだろう。
その話に俺は興味を持った。


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