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官能の城
【女性向け 官能小説】

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官能の城(2)-4

(11)


リチャードとマリアは、
朝の日差しが差し込む牛小屋の中で見つめ合っていました。
マリアが見るこの少年は、彼女が今までに見た男の子に比べて違っていました。

それは自分には分からないけれど、
どこか落ち着いた気品とでも言うのでしょうか、
目鼻立ちが整い、
凛とした目でいながら、笑うとまだ幼さが残るその容貌に、
マリアは生まれて初めて、心がときめいていました。

それは、彼女が初めて抱いた恋心とでも言うのでしょうか。

(この少年には何かあるのだわ、少し寂しそうだけれど、
でも何か大きな夢とか希望を求めているような、
でも私には分からないけれどそんな気がするの、
そしてこの人は私を求めているわ、きっと、そして私も同じように)

リチャードもマリアを見つめながら同じように思っていました。

(この少女は僕が今までに出会った女の人とは何かが違う、
どこか純粋で素直でいながら可愛く、
美しいけれど心の中では何か強さを持っている、
母とも妹とも、そして僕が知っている誰よりも違う優しさが、
マリアを見ていると何故か運命的なものを感じる)


マリアは、この牧場を経営している家の一人娘で、
毎朝この小屋へ牛の乳を搾るためにきたり、
村に買い物に出かけたり、
家の手伝いをしたりしていることを、リチャードに言いました。

いろいろな話をしながらも二人はお互いの心の中には、
時を超越した運命的なものを感じているようです。

それから自然に二人は近づき見つめ合いました。
リチャードはアンナの肩に手を乗せ
軽く抱きながら目を瞑った彼女にキスをしました。

暫く唇を合わせただけのキスでしたが、
それは若い二人にとって異性との初めてのキスだったのです。

暫くしてマリアはリチャードを見つめながら言いました。

「ねえ、ルイス」

「なに?マリア」

「私こんなこと言うのは初めてなの、恥ずかしい・・でも」

「いいよ、マリアなんでも言ってみて」

マリアは下を向き、
恥ずかしそうな目でリチャードを見つめて言いました。

「わたし女の子のお友達とお話しするのだけれど、
この辺りでは、初めて好きになった男の子には処女をあげるらしいの、
それって良いことなの?わたし分からないの、ルイスはどう思う?」


マリアの告白に少し戸惑ったリチャードでしたが、
彼は自分の思っていることを彼女に言いました。


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