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官能の城
【女性向け 官能小説】

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官能の城(1)-1

(1)

この物語は、今から約数百年前にヨーロッパの或る国の中で起こった物語です。
昔も今も人の心の中にある様々な思いは、人それぞれに考えていること、
自分の生まれ育った環境、教育、理念、個性等様々な要素によって、
その生き方や行動が大きく左右されることでしょう。

この物語が、そんな人々の心の中に潜む生業を表現します。
ではさっそく物語を進めることに致します。

その時代は十九世紀の頃で、
まだそれぞれの国が他国の支配や侵略を淡々と伺っており、
安定している時代と言えるには程遠いという時代背景の真っ直中の頃のことでした。
頃はようやく寒い冬が遠ざかり、
暖かい春の兆しが見えてくるような季節の中にありました。


今この場所は堅牢な城郭の中の、更に奥深く、その場所を守る用兵に守られ、
誰でもが許可が無く行き来できる場所ではないのです。

暖かいその一角は、
周りの堅牢な佇まいに比べて一段と優雅で豪華な造りになっておりました、
王の家族が住まうと言うその一帯は、いくつかの部屋があり、
それぞれに広く優雅で沢山の珍しい調度品や
高価な装飾品などが飾られてありました。

それらは、いくつかの従属された国からの贈呈品や、
略奪された物も混じっていたのかも知れません。
そのどれ一つを取っても、
とても人々が一生掛けてもみることも無いほどの品々ばかりでした。

そしてそう言う品々が飾られている部屋がいくつも或る、と言えば、
どれだけその国が豊かであると言うことがお解りでしょう。


この物語は、そのような豊かな富と金、
そして数々の物質に恵まれていたからと言って、
それが幸せであるとは言えないところに
この物語の神髄が隠されているのです。

さて、
その国は類い希無き英知と武力を持つ王によって、
他の国々を従え従属させて、押しも押されぬ大国に成りつつありました、
それに今言いましたように、知力と才能に恵まれた国王と、
その彼を庇護する果敢で勇敢なる献身的な部下達がいて
数々の戦を戦ったからこそ、
この今の国が繁栄し燦然として存在しているのです。


それから・・既に歳月が流れて戦いもなく、
国も安定しており世の人々は平和を堪能しておりました。

その国の王は、あれから既に年を経ていたので暫くは政治からは遠ざかり、
その行政を信頼できる部下や側近に任せて、
彼は院政を敷いていたのであります。

国王は初婚でしたが、
しかし、彼よりも一回りほど若いマーガレットと言う美貌の妃がおりました。
彼女は同盟を結んだ国の娘で政略結婚でしたが、
それは彼女が望んだ結婚ではなかったのです。

元々彼女にはその国の騎士で好きな人がいたのですが、
その父の王の命に逆らうことが出来ず、
心の中では、そのやるせない思いを胸に秘めてその城に嫁いできたのです。

そんな彼女は来た当時は泣いてばかりいたのですが、
しかし月日がそんな彼女の心を癒してくれました。


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