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官能の城
【女性向け 官能小説】

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官能の城(2)-5

「あるところの話なんだけれど、
そこは性が氾濫して乱れていて、
愛が無くてただそういう欲望だけでセックスをするけれど、
そう言うのを僕はあまり好きじゃないな、でもね」

「ええ、それで?」

「でも、心から好きな人で、相手の人もそう思っているのなら
その人に処女を上げるのは悪くないと思うよ、
それとお互いがずっとその心を持ち続けていればね」

「本当に?」

「うん、本当だとも、それは今僕が思う素直な気持ちだよ」
「そうなの、ありがとう、よくわかったわ」

マリアは目を輝かせて嬉しそうに言いました、
そしてもじもじしながらもリチャードを見つめて言ったのです。

「あの、わたしルイスが好きになってしまったわ、
正直に言うと初めからなのね、こんな気持初めてなの、
でも私、浮ついた気持で言っているのじゃないのね、
もしルイスさえ良ければあなたに私の処女をあげたいの・・」

リチャードは驚きながらマリアの顔を見つめていました。

「え?・・あ、ありがとう僕もマリアが好き、逢ったときからそう思っていた、
でもこんな僕でいいの?
マリアだってまだ僕のことそんなに知らないのに」

「ええ、いいわ・・ルイスでなければ、私一生こういう人と逢えない気がするの」

「ありがとう、嬉しいよ・・マリア」

二人は暫く固く抱き合いました、
そしてキスをして、お互いの眼を見つめ合い微笑むのです。
そこでは若い二人の愛が始まろうとしていました。


リチャード(12)

マリアはリチャードに抱かれていた腕をほどき、彼に言いました。

「わたし脱ぐわ、でも恥ずかしいから見ないで、後ろを向いていてね・・ルイス」

「わかったマリア、じゃあ僕も後ろを向きながら脱ぐね」

「うん、ありがとう」

二人は誰も来ない牛小屋の中でもどかしく服を脱ぎ始めたのです。
マリアは地味なコットンの服を脱ぎ、
白い下着も脱いで丸裸になりました。

その脱いだ物は干し草の上にきちんとたたんでありました。
リチャードは初めて自分が女の子を抱けると思うと
何故か身体が熱くなっていました。

しかし母や姉たちの数々の濡れ場を誰とも無く聞き、
それを不潔とさえ思っていたその行為を、
今、自分がする事に嫌疑と戸惑いとが一時脳裏をかすめました。


今はこの純で優しく美しい少女の裸身を見ると、
その呪文が溶かれるような気持になってくるのです。

やはり一人の若者としての生きる息吹と、
その抑えきれない性の欲望は、
そんな壁をも乗り越えてしまったようなのです。
抑えていた性への嫌悪と欲望が葛藤し、
それに勝ち残った若者の生きる力を引き出したのは、
今まで出会ったことのない純粋な心を持つ可憐な少女の心だったのです。


城から抜け出す時に身に着けていた牧童の服を脱ぎ、
リチャードは干し草の上に立っていました。

もうその時には幼い顔の少年は消え、
次第に凛々しい若者の顔になっていたのです。


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