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ダチ的信頼感
【青春 恋愛小説】

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ダチ的信頼感-6

6.(殿堂入り)

「38.3度…風邪ね」
姉ちゃんが体温計を見てため息をついた。
ドスッ…
「ぶっ…!」
オレの額の上(ほぼ顔の上)にバカでかい氷が置かれた。
「冷えぴたはないんかっ…げほっげっ…!」
「バカにはそれで十分。一時にはパート終わらせてくるってお母さん言ってたから」
「がっこ…」
「学校?休むって連絡しといたわよ。友達には自分で言っときな。じゃね」
バタンと戸が閉まると、やけに静かで変な感じがする。
体が重い。のどがぜーぜーする。鼻がつまって耳まで変だ。
マジでこんななのに冬休み明け初日じゃ誰も信じないだろうな。
ケータイを手にとって、すぐに放り投げた。
もういいや。
宮田を見てる森屋を見なくて済むんだし。
それに気づかない宮田にイライラしないし。
でもツラい。
なんなんだよマジで…。どうしたら楽になれる…?
オレはそのままいつの間にか眠ってしまった。

──
ガチャンと玄関の開く音で目が覚めた。
「ま……!……ぞ………って」
母さんの声がところどころ聞こえてくるが、はっきりは聞こえない。
誰かほかにいるのだろうか?
半開きの目でケータイを見た。眩しさにますます目が細くなる。
12時50分…。ちょうど帰ってきたのか。
ぼーっとするけれど、だいぶ気分はいい。
起きる気には全然なれないけど。
勢いよく階段をかけあがる音が響いてくる。
「ちょっと満男!お友達よ」
…宮田がパシらされてきたんだな。会いたくない人ランキング第一位(初登場)
「悪いけど帰ってもらって…」
オレは背を丸めて具合悪そうに言った。
「言っておくけど宮田君じゃないわよ」
母さん、さらっとひどいことを…。
「…誰?」
「女の子」
……?
「すごいカワイイ子」
……???
「あんたに会いに来るなんて、じゃんけんで負けたんでしょうねぇ…」
「おいっ!」
容赦ない発言でがばっと起きあがると…。

母さんのすぐ後ろでちょっと困ったような顔で頭を下げる、会いたい人ランキング第一位(殿堂入り)がいた。


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