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ダチ的信頼感
【青春 恋愛小説】

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ダチ的信頼感-5

5.ムダってこと

「いらっしゃいませ〜」
店内は期待したより暖かくなかった。
店員がやる気ないなら暖房までやる気ないのか。一応コンビニならケチんなよ。
むっとしながら見渡した店内に、いきなり会いたくなかった人物をみつけてしまった。
変な汗で急に暑く感じる。
気づかれないように雑誌コーナーに移動して、テキトーな本で顔をかくしてもう一回見た。
…やっぱりいたっ!絶対そうだ!間違いなく森屋だっ!
どうしよう…早々に帰るべきか。でも、向こうは気づいてないんだし、あ゛〜っ!!
「…浜崎?何やってんだよ?」
「げっ!宮田!!なんでこんなときにくんだよっ!!」
マズい、マズすぎる!!
「は??部活の帰りによっただけだし…つーか浜崎、汗すげーぞ」
「と、とにかくまたな!!」
「ええっ!?おい、浜崎…」
なんとも間の悪い宮田を置き去りにして、急いでスターランを出た。
宮田とオレに気づいた森屋が飛び出していったのだ。
「森屋ー!」
とりあえずドラマみたいに叫びながら走ってみる。
どっちに行った!?さすがに陸部は足が速い。
森屋が行きそうなところは?
行きそうな……。
……。
勝手に走っていた足が、今度は勝手に止まった。
考えているうち、アホらしくなってきた。
どうせ森屋が好きなのは宮田だ。
たとえそれが勘違いだったとしても、オレが森屋とつきあうなんてありえない。
森屋が行きそうな場所なんて、オレには検討もつかない。
ムダなんだ。今、どんなにオレが追いかけたって…。

『ごめんなさい…』

ズキンっ…
なんだよ、ちくしょー。フラれたときより痛ぇじゃん。
あん時オレ、なんて答えた…?

『…だよな!やっぱり。忘れていいから』

ヘラヘラ笑って、森屋に背を向けて走った。
カッコ悪…っ。
あのとき出なかった涙が…今頃。


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