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校庭に吹く風
【フェチ/マニア 官能小説】

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校庭に吹く風-2

「N子、ごめんね。あたしが話しかけたせいで」「ううん、あたしが振り向いたから先生に見つかったんだよ」「これからは気をつけようね。でも痛かったね、N子」「うん、厳しいね」。すっかり暗くなった駅舎で帰りの電車を2人で待った。何かと引きずる私に比べて、R子はさっぱりした性格だった。そういえば中学の時ドッジボールをしていて、私はR子に至近距離からお尻にボールを思い切りぶつけられたことがある。私はふと思い出して、「あれも結構痛かったんだよ」とR子に恨み言を言った。「あ、そんなことあったね。まあ狙ってなかったって言えばウソになるかな」。相変わらず屈託がない。電車がホームに入ってきた。思いの外空いている。私たちは真ん中の座席に並んで座った。もうお尻の痛みは消えていたけど、座席にお尻が触れた瞬間、なぜか2人で顔を見合わせた。

 それからの私はなんだか気が晴れなかった。もっと楽しい高校生活が待っていたはずなのに。楽しく走れればいいのよ。それなのにY先生は。でもまだ1カ月もしないのにやめるわけにはいかない。だって母はなんて言うだろう。「何かあったの?」って聞くに決まってる。そしたらY先生にお仕置きされたことも白状しなきゃいけなくなる。それは恥ずかしいし、叱られる理由もあるし、イヤだな。とりあえず部活には出なくっちゃ。

 私はその日もY先生に叱られないように、言われた通りのメニューをこなしていた。そして部活も終わり、帰ろうとした矢先だった。「N子、職員室に来い」とY先生に呼び止められた。何だろう。私は体操服のままY先生についていった。「その机に両手をつけ!」「先生、私何もしてません」「違う。何だ、あの練習態度は。甘く見るんじゃない。お前のような奴がチンタラやっていると、他の部員にも悪い影響が出る。だから見逃すわけにはいかない」。私は素直に従う気になれなかった。「でも、先生、またお尻ですか?」「お前が男ならビンタをはってるところだ」。そう言うとY先生は大きなしゃもじのような板を机の下から取り出した。このまま走って逃げ出すわけにもいかない。イヤイヤながらも机の縁に片方ずつそっと手をついた。するとY先生は左手で私の背中を机の方に強く押しつけた。私は無理やり前屈みの格好をさせられたのだ。こんなの屈辱だわ。「まるでダダっ子だぞ」。バシッ! 閉め切った室内に乾いた木の音が響いた。お尻の左側半分が一面焼けるように痛い。バシッ! 今度は右側、それに何なのこの大きな音。バシッ! 今度は真ん中、もう痛くてダメ。「先生、ごめんなさい!」。Y先生は叩く手を止め、押さえていた左手を私の背中から離した。「なぜもっと早く言えない。謝る気があるならそこに立ってろ」。私はY先生の目の前で気をつけをしたまま右の手のひらをブルマーのお尻にそっと当てた。熱い。お尻の真ん中からブルマーの下の股の付け根のあたりまでがジンと痺れた。視線は合わせられず俯いた。「N子、先生を信じろ」。私はそんな気にはなれない。しばらく立たされた後、Y先生は諦めたように私を解放してくれた。私はもう一度「ごめんなさい」と頭を下げて、誰もいない更衣室に向かった。

「N子、またサボったな。前へ出ろ!」。私はすっかりY先生の叱られ役になってしまった。あれからY先生は、いつもあのしゃもじのお化けを持って運動場に現れた。ほとんど私のお尻を叩くために。たまにR子とかも叩かれるけど、少し手加減してるのかなんだか音が違う。たまりかねてR子が助け船を出してくれた。「先生、どうしてN子ばかり叱るんですか? N子に厳しすぎます」「クラスで一番足の遅い奴が真ん中ぐらいで走ったら、俺は褒めてやる。だが一番で走れる奴が二番になったら、俺は怒る。そういうことだ」。R子は黙った。「私だって、一生懸命やってます」。私はすかさず言った。「いや、お前は本気じゃない。自分の胸に手を当てて聞いてみろ」。私は引き下がるしかなかった。Y先生とは考え方が違い過ぎていると思った。
「なんだか立場が逆になっちゃったね。R子にかばってもらうなんて」。中学の部活ではR子はビンタもケツバットもされていた。自分の意見をはっきり言うので、生意気だと見なされたのだ。私のほうは目立たず、言われたことに従うタイプだった。それにろくに練習しなくても人より速く走れたのでほとんど叱られなかった。Y先生は中学の先生とは全く物差しが違った。叱られないようにしようとしてもかえって叱られてしまう。Y先生の私を見る目はどんどん厳しくなっていく。


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