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校庭に吹く風
【フェチ/マニア 官能小説】

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校庭に吹く風-1

 私の県には海がない。冬には冷たい木枯らしが容赦なく四方の山から吹きつける。放課後の校庭にはいつも乾いた土埃が舞っていた。いつも風の中で走っていた。陸上部だった私は県内でも名の知れた短距離のランナーだった。そして中学から高校へ。私は文武両道といわれる県立高校に進学することができた。少しほろ苦い私の思春期の物語はここから始まる。

「お母さん、どうしよう」。私は迷っていた。私の高校の女子陸上部は強い。でもそれは顧問の先生のスパルタ指導と引き換えに得られた果実だった。私の中学の運動部でも体罰は珍しいことではなかったが、それでもこの高校は厳しいという噂ばかりを聞いていた。「それはN子ちゃんが決めることだわ。でも私は、せっかく才能があるのにそれを生かさないのはもったいないと思うよ。迷ってるならとりあえず始めてみなさい。その方が後で後悔しないんじゃないかしら」。私は翌日、陸上部への入部を志願した。
 「よろしくお願いします」。顧問のY先生にぺこりと頭を下げる。「おう、お前がN子か。聞いてるぞ。楽しみだな。3年後には国体で戦えるランナーに俺が鍛えてやる。いいな」。私には違和感があった。私は普通の女子高生として高校生活を楽しみたかっただけだ。部活はその中の一部で仲間と楽しく走れればいい。大学だって文系に行きたいし、陸上三昧の生活なんて。チラッとY先生の方を見る。体格もいいし、確かに怒ったら怖そうだ。まだ40前なのにもっと上に見える。ちょっと苦手なタイプ。でもいまさら後へは引けない。さっそく来週から放課後の練習に参加しないと。

 部活を始めて2週間が過ぎた。まだY先生には一度も怒られてはいない。取り越し苦労だったかな、そう思い始めた矢先だった。私はその日、中学から仲良しのR子とおしゃべりしながらいつものようにストレッチをしていた。「おい、お前ら。少し私語が多いぞ」。初めてY先生に怒られた。「すいません」。それで終わるはずだった。Y先生は全員を集めてその日の練習メニューを話し始めた。その時、「ねえ、N子」。R子だ。「何よ?」。私が振り向いた瞬間だった。「N子とR子、お前ら2人とも前出てこい!」。Y先生の怒鳴り声だった。私たちはみんなの前に出た。「そこに立ってろ」。2人並んで朝礼台を背にして立たされた。罰として立たされたのだと思った。もう日は傾いて冷たい風が音を立てている。私もR子も半袖の体操着にブルマー、短いソックスだ。特に脚が冷たい。Y先生の姿が見えなくなった。少しして校舎から出てきたY先生の手には、理科室で使う1メートル定規が握られていた。それに気づいたR子が言った。「N子、ヤバ」。Y先生が近づいてきた。「回れ右してそこに2人とも両手をつけ!」。Y先生は朝礼台を定規で指している。私たちは思わず顔を見合わせた。「早くしろ!」。しかたなく並んで両手をついた。私たちの真後ろでは他の部員たちがしゃがみ込んだまま静まりかえっている。先に狙われたのはR子だった。「もっと屈んで踏ん張れ」。Y先生の声がR子の背後から聞こえた。バシッ! 「痛っ」。私が横を向くとR子が顔を歪めていた。「N子、ちゃんと前を見てろ! お前も前屈みになれ!」。今度は私の真後ろから先生の声が。もう覚悟を決めるしかない。私は前に向き直ってブルマーのお尻を先生のほうに突き出した。なかなか叩かれない。いつ叩かれるんだろう。バシッ! 私は声が出なかった。一瞬息が詰まってしまったのだ。こんなに痛いなんて。1メートル定規は私のお尻の真ん中を測ったように長方形に捕らえていた。そういえば中学校の頃、部活中に男子がビニールホースなんかでよくお尻を叩かれていた。みんな澄ましていたけど、ほんとうはやせ我慢していたことがいまわかった。私は部活でビンタの経験はあったが、お尻のほうがずっと痛いと思った。


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