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かつて純子かく語りき
【学園物 官能小説】

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かつてジュンかく語りき2-3

「ジュン。」
「ゴメンな。…私、きついこと言った。」
ほっと彼が息を吐いた。力を緩めた指先が、ぶるぶる震えだす。
きっと、自分の心のキズを裂きながら話してくれたんだろう。きっと、言葉にしたくなかったことなんだろう。わざと話すように仕向けた私を、彼は責めない。
私が彼の手に指を絡ませて握ると、タキタはゆっくり顔を上げた。
「人と関わりを持つのは面倒なことだと…、そう思っていたよ。」
そういえば、初めて学食で話した時もそんなことを言ってた。なぜそんな風貌をしているのか、と聞いた時だ。
「あなたと出会ってから、そうじゃないのかもしれないと考え直したんです。でも、みんなの中に僕が入り込む隙間は、もう……無かった。」
彼の表情が苦しそうに歪む。
お願い、タキタ。これ以上、キズグチを広げないで。
「いいよ、タキタ。もう大丈夫。」
私はできるだけの笑顔をした。泣きそうだったから、あんまりカワイくなかったと思うけれど。
「ごめん。」
二人ともがお互いに謝った。
「君が話してくれて嬉しィ。」
おでこを彼のホッペにぴとっとくっつける。
「な、タキタ。少しずつ、慣れていこ?」
額をぐりぐりしながらそう言うと、彼は子どものようにくしゃっと笑った。君はこんな風にも、笑うンだな。

私は、そっとタキタの黒縁眼鏡を外し、不自然になでつけられた髪の毛を乱暴に崩した。
「わわ。」
「ほら、コッチの方がタキタっぽい!」
ぎゅうと飛びつく。細い彼の背中は抱きついた拍子に後ろに倒れた。
「……うりョ?」
「押し倒したね?」
タキタがにやりと笑う。私が知っている、いつものタキタ。
この顔を知っているのは私だけなんだと思うと、胸の奥から例えようのない感情が溢れてくる。
――好き。
「ふふふふ。今日は純子スペシャルだっ!」
言うが早いか、私はタキタの上に跨り、シャツのボタンを手際よく外した。すべすべの肌が剥き出しになる。
「ちょっ…、何がすぺしゃるなんですか?!」
がばと覆い被さり、胸板にキツく吸い付いた。紅く染まった痕を確認してから顔を上げる。
「いつもよりツヨク吸ってやったぞ!」
にっかり笑ってVサインをする私の腰を、タキタの両手が掴んだ。
「ぎゃわ!!」
タキタに脇腹を擽られるとカクゴしていたのに、何もしてこない。様子を窺うと、タキタはそっぽを向いて頬を紅く染めている。
「もー…、そゆことするから……。」
「カラ?」
その顔をノゾき込む。
「…僕が我慢できなくなるんですっ!」
「ふぎゃあっ!!」
形勢逆転。私の身体は翻り、ベッドの上にぽさりと落とされる。
「……もそっと艶っぽい悲鳴は出せないんですか?」
「仕方ないだろッ!」
ヨケーなお世話だっ。もっと悪態づいてやろうとしたら、タキタの口づけが降って来た。
「ん……。」
ふと目を開けると、子ペンギンのぬいぐるみと目が合った。なんだか気恥ずかしくなって、片手を伸ばし向きを変える。
「ん?どうかした?」
「や、何でもない。」
タキタのシャツに手をかけると、つるりと肩から滑り落ちる。
カーテンから差し込む陽光はすでに淡くなっており、部屋全体が透明なブルーだった。そんな世界に、タキタの白い肌がぼうっと浮かび上がる。
「キレェ……。」
ほうとため息をつくと、タキタが目を細めて笑った。
「綺麗なのは、あなたですよ。」
こそばゆいような台詞でも、素直に受けとれる。だって、タキタが言うんだから。
細い指が私の頬を撫で、首筋へと伝う。
「……はぁっ。」
途端にスイッチが入ったかのように、私の身体が反応し始めた。熱い吐息が肌を伝う。
「あなたはまっすぐで、強くて。…優しい。」
ブラウスのボタンを外し、タキタは鎖骨の上に唇をあてがった。
「!」
瞬間、鋭い痛みに背中がのけ反る。
「……ぁふっ。」
痛みはじわじわと痺れに変わり、緊張した身体が緩み出す。
タキタは自らがつけた赤黒い色の鈴にくちづけ、何かを確かめるように私を抱き締めた。
「タキタ…?」
なだめるように、彼の猫ッ毛に手櫛を通す。この髪シツは将来禿げるかもなぁ、なんて考えていたら、タキタが下唇を軽く噛んだ。
「……んっ。」
キスの合間に息を吐き出す。吸う暇を与えず、タキタの舌が私の中に入り込んできた。両手を彼の首にまきつけ、もっと奥まで届くよう押さえ付ける。

ちゅ。じゅるっ…。ごきゅん。

「んっ……ふぅ。……むふんんんっ!」
上顎を前後に舐められると、背筋がびくびく震えた。
深いキスを止めないままに、タキタの手が胸へと降りていく。ブラのホックは外さず、そのまま一気にずりあげられた。かぷりと乳房全体を口に含み、舌全体を使って頂を湿らせていく。
「あっ、ふぁ……!アんんぅっ!」
そしてもう片方を、指の先でこねまわした。ぷくりと膨れ上がった蕾が、指の動きに合わせて変形している。
あたし、ヤラシイ…。
「やぁン。」
タキタは首に絡められた私の手を解き、頭の上に重ね合わせた。
「あっ……?」
そして、申し訳なさそうに震える濡れた蕾をピンと爪弾いた。
「ぁアッ!!」
抑えられた両手に力が篭る。

ちゅく!ぴぢゅっ。

タキタの柔らかい舌が、こちこちに張った蕾の周りを徘徊する。焦らされるような愛撫に、私は声を上げた。
「あ……ふっ。イッ、きゃああん!」
濡れた皮膚が、冷たい空気にさらされるとゾクゾクする。てらてら光る紅い蕾に、タキタがキツく吸いついた。
「んああ!!」
上半身が、弾かれた弦のように跳ね上がった。頭の上で封じられた腕がヒリヒリ痛い。


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