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ジャム・ジャム・ジャム
【SF その他小説】

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レッド・レッド・レッド-17

「お、思ったより元気そうね」
「あ、ああ」
ジャムとエイジが苦笑を浮かべ、そんな人狼達のやり取りを見ていた。
ふと、ガルーは彼らの視線に気付くと肩をいからせて歩み寄ってきた。
ルーと同じ人狼は思えない――もっとも、本来の人狼の姿はこちらの方か――その迫力に、エイジ達は後ずさる。
「あんたらが俺を降ろしてくれたんだな?」
「ああ、どうも……」
歯を剥くのが癖なのか、ガルーは言ってエイジを見やる。
思わず腰を低くするエイジに、その後ろでダナとジャムが笑った。
ガルーはがしっとエイジの腕を掴み、顔を近づけて言った。
「あんた――」

そして、彼はさっとエイジの足元に屈み込むと、その頭を下げた。
「すまなかった! 相棒と俺のドジのせいで、迷惑かけちまったな」
「いや、何の。此処に用事があったから、そのついでさ」
エイジは照れ臭そうにそう言って、ガルーの顔を上げさせる。
「困った時はお互い様だろ」
「ありがとうよ」
ガルーは言って、エイジと握手を交わした。
そんな彼らの間に、おずおずとルーが顔を出す。
「あ、兄貴ぃ……」
「この馬鹿、早く礼を言わねえか! えっと……」
「エイジだ。そこにいる青い髪のがジャムで、オカ……でかいのがダナだ」
「ちょっとエイジ、あんた今オカマって言おうとしたでしょ」
むっとした様子でダナが言うと、エイジは慌てて首を横に振った。
「オカ……その、"オカーサン"みたいなのが、って言おうとしたんだよ」
「なァに、それ。"オネーサン"の方が嬉しかったンだけど」
それでも幾らか機嫌を直した様子で、ダナはガルーの手を取った。
「ダナよ、よろしくね」
「あ、ああ。ガルーだ」
百万G級賞金首並みの強面を前に、流石にガルーも些か戸惑った様子を見せた。
もっともそれは、その強面と喋りとのギャップであったかもしれないが。
その時、ふとガルーがジャムの方に顔を向け、首を傾げた。

「そっちの嬢ちゃんは……」
「ジャム。凄腕トレジャーハンターよ」
「自分で言うか」
エイジが口元を歪めて言ったのを、ジャムが軽く睨み付ける。
ガルーは腕を組み何か考え込んでいたようだが、首を傾げたままジャムを見つめて言った。
「驚いたぜ。こんなに似てる人間がいるもんなんだな」
「え?」
「ニオイだよ、ニオイ」
「ニオイ?」
ジャムが顔を顰めたのを見て、慌ててガルーが首を横に振った。
「あ、違う違う! もちろん、嬢ちゃんのことがくさいってわけじゃあなくてな。その……嬢ちゃんにそっくりなニオイの人間を知ってるもんでな」
「俺達人狼は鼻が利くのさ。特に兄貴の嗅覚はピカイチなんだ! ……俺はあんましよくないんだけどさ……」
ルーが自慢げに胸を張って、しかし言葉の後半はしょんぼりと肩を下ろしながら言った。
「まあ、顔見知りってわけじゃねえんだが」
「誰に似てるって言うの?」
ジャムが首を傾げると、途端ガルーは困ったように目を泳がせ、言葉を濁した。
「ん? まあ、その……なんだ」
「何よォ、はっきりしなさいよ。気になるわね」
ダナがそう促すと、ガルーは少しばかり不貞腐れた様子で言った。
「分かったよ、言やいいんだろ。つまり、チュール・コンフィ・ド・マーマレイドにそっくりなんだよ」
その瞬間、ぎくりと三人の身体が強張った。


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