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ジャム・ジャム・ジャム
【SF その他小説】

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レッド・レッド・レッド-16

第5章 俺達人狼は鼻が利くのさ

「あ、あ、兄貴ぃッ!!」
ガルーの吊るされた姿を見て、ルーが叫んだ。
苦しげな低い呻きを漏らすガルー。生きてはいるようである。
「あ、あに、あにあにあに」
「お前は落ち着け」
狼狽するルーの肩に手を置き、エイジはダナに視線を向ける。
「何で吊るされてるんだ? ロープ? 鎖か?」
「この暗さよ。どっちにしたってレイガンで断ち切るのは難しいわ」
ジャムは暫く考えていたようだったが、閃いたように手を叩いて言う。
「肩車すれば、ギリギリ届く高さじゃない?」
「……やっぱり、それかしらァ」
溜息をつきながらダナが答えた。
そしてエイジに向かってにっこりと笑顔を浮かべる。
「というわけでェ、エイジとルー、頑張ってね」
「馬鹿言え、てめえが下に決まってるだろ」
青筋を浮かべて言うエイジ。
「ええェ、せっかくルーがいンのに、アタシが肩車するワケェ?」
エイジは天井を指差し、それからがちがちと歯を鳴らして震えるルーを差して溜息をついた。
「この距離だとルーと俺とじゃ届かねぇし、どっちにしろあいつがあんな状態じゃ無理だろ」
「あわわわ、あにあにあに……あでッ」
神に祈りでも捧げるような格好で、吊るされたガルーを見上げながらうろうろするルー。
何かに躓いたらしく、彼は転んでくぐもった呻きを漏らした。
ダナは仕方ないといったように頷いた後、エイジに向かって言う。
「たまにはエイジ下になンない? こーいう時っていつもアタシが下じゃない」
「お前が乗ったら、潰れるわ!!」
エイジは怒気を露わにして言う。
確かに、エイジが成人ヒューマン男性の標準体型であるのに対し、ダナの体型は木星人並みである。
二メートル近い彼を肩に乗せたならば、エイジは言葉通り潰れてしまうかもしれない。
ジャムはそんな二人を交互に見やり、苦笑しながら頬を掻いた。
「今回ばかりはエイジに賛成……かな」
「今回ばかりって何だよ、今回って」
「ジャムがそう言うなら仕方ないかしらァ」
「どーでもいいけど、早くガルーの兄貴を下ろしてやって下さいぃ!!」
ずれた論点で話し合う三人に、ルーは泣きながらそんな声を上げたのだった。


結局エイジがダナの肩に乗り、ロープで結ばれたガルーの身体を下ろしてやった。
ルーが慌ててガルーの側に駆け寄る。
「兄貴ぃ!」
「うう……」
ガルーは額を押さえながら、傍らで涙ぐむルーの顔を見るなり、その面を引っ叩いた。
「!?」
「てっめえ! よくも俺を置いて逃げやがったな!?」
「あ、兄貴……!?」
思っていたよりも元気そうなガルーの姿に、そして突然の平手打ちに、ルーだけでなくエイジ達も顔を見合わせて目を瞬かせた。
ガルーはルーの胸倉を掴み、歯を剥いて唸り声を上げる。
「てめえが発動させた罠で俺は一晩中宙吊りだ! しかも、縄を解こうと身体揺すったら頭に硬えもんがぶつかるしよ!」
そう言って、彼は体毛を掻き分け、真っ赤な血の流れる額を指し示した。


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