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ずっと二人で
【OL/お姉さん 官能小説】

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これからも二人で-2

「か、葛木さんっ!」
驚いて思わず友紀と目を合わせてから、後ろを振り返った。
「西田さん……そんな大声で呼ばなくても返事するから。で、どうしたの?」
「いやっ、あのっ、このあとお暇でしたら飲みにでも。」
……私、また連絡するわって言ったよね?絶対絶対言ったよなあ。
「私はいいわよ。」
友紀は悪びれもなく答えた。
今日は、友紀に色々アドバイス聞こうと思ってたのに……。
そう思いながらも返事をする。
「私もよ、もちろん。」


―「でもね、先輩!それは、それだけは無いと思ってたんれすよ〜。」
かなり酔った西田の、元カレとやらの愚痴を二人は延々聞かされていた。
「ちょっと〜お酒、かなり弱いじゃないのよ。」
友紀が私に小さく耳打ちする。
友紀と私の間には『お酒を飲む時は迷惑かけない!』というのが無言の約束であった。
迷惑をかけるなら、男に。
それが友紀の考え方だからだ。
無言の約束はこれだけでは無いが、二人の友人関係が特に問題も無く進むのは、そういう所で一線を引いているからだろう。
「先輩!聞いてます〜?男なんて最低れすよ!ったく!茂木め〜〜〜!!」
「え?茂木……?」
「そうれすよ?あの最低男〜!!もう……男なんて信じましぇん!!!」
茂木と西田が……?どういう事?私の思考回路は、新しい企画を練る時以上に働いていた。
「ちょっと!どういう事?」
いきなり友紀の声が横から飛んできた。
「先輩〜ぃ。怖いですよお〜?どうしたんですかあ急に〜。」
アルコールのせいで上機嫌な西田はキャハハっと笑いながら、答える。
「いいから!茂木ってどういう事?」
「捨てられたんですよぉ〜。付き合ってたんですよぉ、茂木さんと。」
今度は泣き出した。
本当ならハンカチでも差し出すべきなんだろうけど、そんな余裕は無かった。
「そう……なんだ。」
それから、西田と友紀は色々と茂木の話をしていた。
私は、知りたい気持ちの方が強かったのに、なぜか二人の声は聞こえてこなかった。

「ちょっと、香織!」
しばらくして、急に友紀の声が入ってきた。
「あ、ごめん。」
「大丈夫?私、西田送って行くから。」
ふと見ると、美香は、酔い潰れて寝息を立てていた。
「う、うん……。わかった。」
タクシーを呼び、会計を済まして店に出ると、友紀が言った。
「茂木の話は明日ね、また話してあげるわ。あんた聞いてなかったでしょ?」
そういうと友紀は、西田の肩を担いでタクシーに乗り込んでいった。

「歩いて……帰るか。」
他の事を考えていても、西田のあの言葉がずっと離れないでいた。


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