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【初恋 恋愛小説】

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3・2・1-4

「アドレス帳の登録の仕方とか分かる?」
俺、いいこと思いついた。
「え?そんな事が出来るの?」
「出来るの、はい、練習!!」
そう言って俺は自分の携帯を取り出し、登録の仕方を一つづつリコに教えた。
情けないけど、こんな事しなきゃ俺、リコに自分の番号もメアドも教えられない…
マジ、情けない…
ピーッ
登録音がなり、俺は自分の携帯をリコから取り上げると電車を降りた。
「じゃあな」
俺、本当に自分が情けなく感じていた。ほかの男に嫉妬して、あんな風にしか自分の気持ちを表せなくて…
…こんな俺を今でも好きでいてほしい…好きだよな…リコ…
俺、リコに背を向けたまま足早に立ち去った。
その夜、一通のメールが届いた…リコからだ…
え!?リコ!!
『今日は助かりました。本当にありがとう。』
……
俺、その文を見つめ、返信しようとしたが、手が震えて動かない。
…返信しなきゃ…
だめだ、何を書けばいいのか何も浮かばない…
俺、リコから届いたメールを一晩かかって保護するのに精一杯だった。
メール保護するだけで何夜をあかしてんだよ俺〜…
朝日を浴びながら俺は眠りに落ちていた。
目が覚めたときには昼過ぎで、雲行きが怪しくなってきた。俺、携帯を開き飽きもせずリコからのメールを見つめた。
返さなきゃ…
だけど、そう思えば思うほど俺の手は震え、心臓がバクバクいいだす。
……だめだ!!先に飯でも食おう…
立ち上がった瞬間、携帯が鳴り出した。
!!リコ?
画面を見た俺はガックリした。
なんだよ、佐伯かよ…
「はーい」
「翔、この間借りたCD返そうと思って近くまで来てるんだけど、翔の家に行っていい?」
こいついつもテンション高いよな〜…
「ああ、いいよ」
俺、外に出るのが面倒だったからそう答えて電話を切った。
佐伯は五分もたたずにやってきた。
早っ…
「雨降り出した〜ショック、今日は降らないと思ってたのにー」
「ああ、とりあえず上がれば」
俺、佐伯を招き入れる。
腹へったー…飯食おう…
母さんにラーメンを部屋まで運んでもらい、母さんが持ってきたコーヒーをすする佐伯の横で俺はラーメンをすすった。外は雨が激しくなってきて、テンション高い佐伯に俺はうんざりしていた。
うるせーなー…
「俺、本屋行くから駅まで送るよ」
そう言って佐伯をどうにか追い返し、本屋でブラブラして帰って来た。
俺とリコの家がある通りに曲がって…
ドキッー
俺はすごい勢いで身を隠した。
リコが男と歩いていたからだ…
この雨のせいか、ずぶぬれのリコ…
リコの家の前で立ち止まった二人、笑いあった後、男は押していたチャリにまたがり去っていった。その後ろ姿を見つめるリコ…
あいつ、この前公園にいた奴だ…リコ…やっぱりあいつが好きなのか?あんな男が!!
俺、リコが家に入っていってもその場を動くことが出来なかった…


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