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【初恋 恋愛小説】

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私にはずっと好きな人がいる。だけど、もう傷つくのが怖くて、凍り付いてしまった…
私小西リコ、今年からS高校に通うことになった。電車通学、憧れだった定期、だけど、混んでたり寝坊したり……思ってたより大変で、それでもいいことはあって、ずっと好きだった幼なじみの北原翔平もS高に受かったことを知り、同じ車両になったりしたら、もうそのことで頭がいっぱいになってしまう。翔ちゃんとは口を聞かなくなってどれくらいだろう…もう誰も私たちが幼なじみだと知ってる人なんかいない。高校になって翔ちゃんとはすごく縁があって、クラスもおなじになった。それでも怖くて、話しかける勇気がでない。
今日こそは、おはよう、て言わなくちゃ!!
今日は、同じ車両、しかも今なら知ってる人もいない。人も何でだか少ないし、私は右側のドアにいて翔ちゃんは振り向いたらいる。
う〜〜〜。頑張れリコ。おはよう、て言うだけだし、早くしないと誰か来ちゃう。
ドキドキが止まらない。
「あー、翔、おはよう。一緒だったんだー、あっ、小西さん?おはよう」
「お、おはよう」
同じクラスの佐伯涼子、かわいくておしゃれだし、大人っぽくて、翔ちゃんとすごく仲がいい。入学して二ヶ月、一番目のカップルだってみんな噂してる。
楽しそう……翔ちゃん、前は女なんかと遊べるかって言ってたのに、中二頃からつき合ったりして……
駅から学校は近くて、歩いて五分ぐらい。バス通学の人も駅で降りるからたいてい駅からは誰かに会う。
翔ちゃん、大人っぽい人好きなのかな、中学の時もそうだったし。
「おはようリコちゃん」
同じクラスの時田サヤカちゃん。目がクリッとしてて小柄でかわいいくて、すっごく気が強い、言いたいこと、スパッて言っちゃうとこすごく好き。
サヤカちゃんに聞いてみようかな。
「あのさ、私、髪のばしたらちょっとは大人っぽくなるかな??」
「え?何、いきなり、リコちゃん大人っぽくなりたいの?」
「うん……ちょっと、どうかなと思って」
「どうかな〜…リコちゃんはカワイイ系の顔だから‘大人っぽい’ていうのはちょっと無理あるよね」
‘無理あるよね’…うっ…やっぱり、胸もないしな〜…
私、高校に入って髪を切ってこと、ちょっと後悔した。
「どうしたの?いきなり」
「あっ、ううん、なんでもないんだけど、少し自分を変えてみたくなったの」
「大人っぽいっていうのは無理だけど、自分を変えるっていうのはいいことじゃない?」
サヤカちゃんは一呼吸おいてひらめいたように言った。
「彼氏作ったら?」
「え!?無理!!」
「何言ってんの!?リコちゃん、自分のかわいさ自覚した方がいいよ、そうと決まれば私セッティングするから」
クリッとした目をより一層クリクリさせるサヤカちゃん。
な、何か、とんでもないことになってない!?セッティングってなんだろう…
放課後、教室を出ようとしたとき、サヤカちゃんが満面の笑みでこっちに走ってくる。ピンときた。もしかして、今日朝言ってたやつじゃないかな?
「今週の土曜日空けといてね」
「え!?何で!?」
それって、もしかして…
「同中の男友達に聞いたらOKだって、何人か連れてくるって」
やっぱり…どうしよう…
「サヤカちゃん、私、そういうの苦手だし、あの…」
「だめ!!リコちゃんが言ったんだよ、自分を変えたいって!!そのためには、恋愛するのが一番、そのためには、出会わなきゃね」
サヤカちゃん、私の事っていうか、なんだか自分が楽しそう…
「土曜日、いいね」
「いや…私…」
「ちょっと悪いけど、邪魔だからどいてくれる?」
ドアをふさいでた私達に後ろからムッとした声が聞こえてきた。
しょ、しょーーーちゃん!!
開いた口が塞がらないまま隅っちょに避ける私に翔ちゃんの隣にいた涼子ちゃんがいった。
「合コン?楽しそう。結果報告してね」
きゃーーー!!聞かれてる。
誤解されたかな??……私なんて、眼中にないか………
自分で思ってショックを受ける私……


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