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ポッキーとプリッツ
【推理 推理小説】

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ポッキーとプリッツ-6

「ああ、そう。それで何か分かったんですか?」
はい。私がチャットで記憶のまま言った物は、Fさんが仰った通りの物でした。書き出しますと……。
プ○ッツの塩バター味、コーンベーコン味、ポッ○ーは単なるイチゴ、つぶつぶイチゴです。クラッシュポッ○ーはしっかり2種類ありましたし、季節限定もすでに発売されてましたね。
「それが何だと言うのです。貴方はさっきから、僕の投稿した内容を確認してるだけですよね」
それは違います。私はFさんの発言した事を検証しているのです。
「だから、それが何の意味があるんですか?」
つまりですね。Fさんは『ポッ○ーとプ○ッツ』について、詳し過ぎると言いたいのです。
「それに問題でも?」
いえ、問題はありません。ただ、私が推理したいのは『Fさんはいったい何者なのか』と言うことでして……。
「なに? 僕も江崎グ○コ(株)の株主だって言いたいんですか? そんな2番煎じ、何も面白みがないですよ」
いえ、ちがいます。ズバリ言わせてもらいますと、Fさんって、“グ○コの社員”なんじゃないですか?
「ほう……。そっちできましたか」
私には『お題は広告だ!』と仰ってましたが、私から見ればFさんが投稿した小説こそ、宣伝になってると思うんですよ。ポッ○ーとプ○ッツの種類の羅列。それに、読み返してみて思ったのですが、あれはほとんど誘導尋問ですよね?
「なるほど、わかりました。仮にですが、僕が江崎グ○コ(株)の社員だとしておきましょうか。
しかし、ただ『ポッ○ーとプ○ッツ』に詳しいからと言って、そう結論付けるのは、それこそ短絡的と言うものでしょう。ちがいますか?」
もちろんこれだけで結論付けたわけではありません。他にもあります。例えば“グ○コ”です。
「それが何か?」
実は私、グ○コさんが“江崎グ○コ”って言うの『あ〜、言われてみればそうかも……』ってぐらいしか憶えてなかったんです。
ほら、大阪の道頓堀のランナーって有名ですけど、彼が着てるシャツは“グ○コ”だし、商品のパッケージにも“glic○”しか書かれてませんよね。
これは推測なんですけど、世間の人のほとんどは“江崎グ○コ”と、フルネームで読んでないと思うんですよ。
でも、Fさんは違いました。執拗に“江崎グ○コ”って言ってましたよね。で、これってなんかに似てるな? て思ったんです。
「なんです?」
茨城県民です。
「は?」
よく茨城県の人に『イバラ“ギ”』って言うと訂正されるんです。『“ギ”じゃない“キ”だ』って。つまりそこに深く関わりのある人って言うのは、他人が思っている以上に正式名称を気にするんですよね。“シバサキ”さんの“サキ”と“ザキ”とか。
これと一緒で、社員であるFさんは、どうしても略称が許せなかったんじゃないですか。これもある種の愛社精神ですかね?
「愛社精神ですか。僕はそう言うの好きですがね」
もう1つ、それを表すところがあるんです。
「一応聞きましょう」
それは、あなたの小説内で唯一加工した『“じゃ*り*”とか“ト*ポ”』の部分です。あのチャットをしていた時、私はチャットの内容をそのまま小説にすると知らなかったので、“じゃ○り○”と“ト○ポ”の商品名はそのまま書き込みましたよね。なのにFさんは、他社さんの商品であるその2つだけ、わざわざ正式名称で書かず、伏せ字にしていました。
「なかなか面白い着眼点ですね。……では、こう反論させてもらいましょうか? ……僕は『ポッ○ーとプ○ッツ』ファンじゃなく『江崎グ○コ』のファンなんです。だから『ポッ○ーとプ○ッツ』に詳しいし、会社の略称は許せないんです」
これはまた、すごいかわし方をしますね。


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