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七夕には愛を囁いて
【幼馴染 官能小説】

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七夕には愛を囁いて-6

「お前、自分でやれよ」
「だって箸が刺さるの嫌だもん。商売道具よー?」
手をひらひらさせながら適当な言い訳。美容師っていうのを盾に言いたい放題だ。
「シャンプーでしみたらどーすんの?パーマ液もさぁ、ハサミ痛くて持てなくなっちゃうじゃん」
有り得ない言い掛かり。よっちゃんはあたしの我が儘だって気付いて受け入れてる。だって割り箸を使えない美容師なんていないでしょ。普通。
「はいはい、煩いから食ってろ。そんで飲め。つぶれろ」
串から離した一口大の焼鳥をあたしの口に押し込んで、半分まで減ったピーチフィズを押し付ける。
しゅわしゅわと炭酸の弾ける音。よっちゃんのビールを飲む姿を見ると、生き物の様に上下する喉仏がセクシーだ。
「風呂、勿体なかったな。お前、今入ったら倒れるぞ」
頬を赤くしたあたしを見つめ、全く変化のないよっちゃんは溜息を零す。なんかズルイ。あたしだけ、じゃん。
「嫌。酔ってないもん。入る」
ピーチフィズの残りを一気に空け、ソルティードックの缶も開ける。
あたしだって大人なんだから。緊張なんかしてないし、お風呂だって入れるもん。
「ばっ、馬鹿、やめろって」
慌てて止めるよっちゃんのせいで唇からぼだぼだと零れていく。糖分の多い滴は甘い香りを放つ。
そう、雌が雄を吸い寄せるように。
あたしがよっちゃんを吸い寄せる。
「……甘い」
よっちゃんの舌があたしの顎を舐め、滴を吸い取っていく。
「よっちゃん、もっと飲みたいよ」
唇を近づけて囁くと、よっちゃんがあたしの代わりにアルコールを口に含む。
そして唇が重なる。生温いソルティードックはよっちゃんとあたしの口内で発酵し、別の飲み物みたいに美味しい。
喉を鳴らして飲み終えると、舌も絡まる深いキスが繰り返される。さっきまでのアルコールなんて比じゃないくらい、あたしを酔わせるキス。唾液が交わるだけで化学反応を起こしそうなくらい。
「よっちゃ、んぅ、、もっとぉ」
「っふ、ん、お前、今日は大胆だな」
唇を離すのも惜しい。言葉も惜しい。だけど褒められてるのかな?ぼんやりした意識の中で理性の壁が崩れていく。よっちゃんが褒めてくれるなら、もっと頑張るもん。
「風呂、一緒に入ろうか?」
「うん、よっちゃん連れてって」
うーっと伸ばした両手首を巻き付け、よっちゃんの体に縋る。熱い体。よっちゃんも興奮してる?
「お前も熱いな」
首筋に掛かる熱い息。髪に指を通されると、小さい頃を思い出すように気持ちいい。
半分抱き合ったまま、お風呂場へと移動する。既に給水音は止まり、浴室は暖かく湿っていた。
「脱がして」
唇が操られたように気持ちを表現する。素面だったら絶対言えない。気持ちが大きくなってるから、理性が崩れてるから。
ごくってよっちゃんが唾を飲み込んだのが解った。目の前で上下する喉仏。抱きしめた腕が躊躇いがちに動き出す。
白と黄色のタンクトップ。二枚纏めて脱がされる。ベージュのショートパンツも、ごついベルトを外してストンと落とされた。
「よっちゃんも脱いでよ」
桃色の下着姿を見つめるよっちゃんに苦笑する。思い出したように服を脱ぎ始めるよっちゃんが少し可笑しかった。
「おい、下着」
フラフラと下着を付けたまま浴室に入り、バスタブのふちに腰を下ろす。よっちゃんの慌てた顔、もっと困らせたくなる。
「脱がして」
誘うように胸を突き出す。思った通り困惑したよっちゃん。だけど口角を上げ、あたしの遊びに付き合うのを決めたらしい。


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