愛を囁くよりも先に…金澤純の秘め事…-4
「ちょっとぼーっとしてただけ。でも今日は…まだ帰りたくないわ」
「え?」
三沢はあたしの言葉に驚いたようで、「どういう意味ですか?」と聞いてくる。
あたしはクスッと笑うと、立ち上がり、すぐ側の三沢のもとへ歩み寄った。
「社長…?」
「『帰りたくない』って意味…わからないの?」
あたしは三沢にキスをする。
その返事みたいに三沢はあたしの体を抱きしめて、スカートをめくった。
下着の上から、指を這わせる。
くすぐったい感触が、だんだん気持ちよくなってきて。
「んっ…」
そのうち、声が漏れる。
「直接、触って欲しいの…」
三沢は何も言わずに肯いて、あたしの下着のそれの部分だけをずらした。
指で触れて、潤っていることを確認するといちばん敏感な部分に体液をこすりつける。
「あっ…」
体の中を電流が走るみたいに、触れられた瞬間には快感が突き抜けていた。
三沢はとても優しくあたしのそれに触れる。
――あたしはまだ三沢とは一度しか交わったことがない。
だからこそ、三沢が欲しくなる。
優しく触れて欲しいし、激しく触れて欲しい。
「三沢っ…」
三沢が急に指を強く押し付けだして。
「三沢…あ…だめっ…」
ビクッと体が大きく震えて、三沢にしがみつく。
だけど。
三沢はそんなあたしから離れて、あたしの体液で汚れた指をなめた。
「三沢…?」
「…抱く気はありません」
あたしはその言葉を聞いて、声が出なかった。
何で…?
どうして…?
そうやって頭の中を木霊するのに。
「社長は言ってくれたじゃないですか。俺が好きだって言ったのが嬉しい、って。なのにどうして…自分が辛かったら体だけつなげようとするんですか。
好きでいてくれるなら、俺をそんな相手にしないで下さい。だから加藤さんも傷つくんだ」
三沢はそう言って、あたしの体を抱きしめる。
三沢の体は熱くて。
心臓がドキドキいってるのが、伝わってきた。