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陽だまりの詩
【純愛 恋愛小説】

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陽だまりの詩 7-1

「ハル…」
「アキ…」

俺は立ち尽くすしかなかった。
なぜアキが目の前に立っているのか。

「もしかしてお知り合いですか?」
奏は状況を理解していないらしく、きょろきょろと俺とアキの顔を見比べる。

そうだ。
当時アキは介護福祉士をやっていたんだ…

なぜすぐに思い出さなかったんだ。
いや、思い出したとしてもこういう状況になるなんて考えてもみなかった。

「奏ちゃんこそ、そのお兄さんってもしかして彼氏?」
「ええっ!違います!いろいろよくしてもらっているお友達ですっ!」

狼狽しつつ全否定する奏。

本来なら笑うところだが、真剣に笑えない。

「……じゃあ奏ちゃん、早速始めましょう」
「はいっ」
俺は黙って見送る。
奏は自分で車椅子を漕いで前に進むが、一旦振り返って俺に向かって笑顔で手を振った。
「頑張れよ」
「はい」



一時間ほどリハビリを行った後、休憩に入る。
「お疲れさん」
「ありがとうございます」
うっすらと額に汗をかきながら笑う奏。
「奏ちゃん、お手洗い済ましておきなよ」
アキが笑顔で言う。
「あ、はい、じゃあ行ってきます」
奏は車椅子を漕いでトイレへと向かった。
その場に残った俺とアキ。
「……なんで奏を遠ざけたんだよ」
苦笑いする俺。
「話したくないの?」
「そんなんお前、俺はどうせ質問に答えるだけだろ」
「よくわかったね」
くくっと笑うアキ。
「で、なにが聞きたい?」
「じゃあまず、ハルってそういう趣味?」
やはりそうきたか。
「断じて違う。アキは年上じゃないか」
「それもそうだけど…じゃあ、ハルの言ってた好きな人って」
「そうだ」
否定するつもりはない。
「なんであんな子どもが好きになったの?」
「子ども言うな。あれでもう結婚できる歳なんだよ」
結婚、というフレーズについ赤面しそうになる。
「たしかに可愛いけどさ、なにかあるの?すごいテクニシャンとか」
怒るぞ、アキ。
「…暖かい」
「暖かい?」
「まあ、アキにはわからんさ」
「ふうん」
アキは納得がいかないようだ。

まあ、この間のことがあるからしょうがないか。
アキの誘いを、奏が好きだから断ったんだし。
その奏は十も年下で。
そりゃ納得いかないのもわかる。


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