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陽だまりの詩
【純愛 恋愛小説】

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陽だまりの詩 4-5

***

すっかり暑さはなくなり、またも取り留めのない話をしていた。

今日は主に俺の仕事の話だった。

「そうだ」
一時間ほど話した後、奏ちゃんは何かを思い出したかのように手を叩く。
「ん」
奏ちゃんは引き出しを開けて何かを取り出した。
「これで遊びませんか?」
「…トランプ?」
奏ちゃんの手には、プラスチックのケースに入ったトランプがあった。
「…これ、お母さんが持ってきてくれたんですけど、よく考えたら一人じゃ遊べないから」
お母さんか…そういえば奏ちゃんの家族に会ったことないな。
にしてもトランプって…面白い母親だ。

俺の母親も、昔はこんな茶目っ気のある性格だった気がする。
今はあまり昔のことは覚えていないが。

「そうか、やろう」
「あの、私トランプって婆抜きしかわからないんですが、いいですか?」
「いいよ」
俺はトランプを受け取ると、カードを切る。
パッパッと素早く二つに振りわける。
「よし」
「あの」
配ったカードを取ろうとしたとき、奏ちゃんはまたも顔を赤くして何かを言い出そうとしていた。
「賭けをしませんか?」
「賭け?」
「はい」
ぎこちなく笑う奏。
「今日は持ち合わせ少ないぜ?」
俺はわざとらしく財布を取り出す。
「えっ!違います!お金じゃなくて…」
「わかってるよ、なに?」
「その…負けたほうは、勝ったほうのお願いをひとつだけ聞くんです」
「……」
奏ちゃん、いや、美沙のやつ、今度はなにを企んでいるんだ?


まあ、いい。
勝てば聞こう。


奏ちゃんは俺をどう見ているのか。そして俺のことが好きなのか。


なかなか普段言えないことだが、ゲームに勝ったなら勢いで言える。
これは俺にとって大きなチャンスだ。




手札を見る。
さすがに二人だから枚数が多すぎる。
捨てても両者かなりの枚数が残る。
だが二人だから高確率で手札は減っていくし、勝負は短期決戦だ。

「じゃあ奏ちゃんからいいよ」
「はい」
最初の一枚なのに、かなり悩んでいる。
それだけ真剣なのか、それとも天然なのかわからない。
ゆっくり一枚引くと、すぐに手札とそのカードを捨てる。
「やった」
かなり嬉しそうだ。
「…」
俺もサッと引いてサッと捨てる。

決着は思ったより早そうだ。


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