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陽だまりの詩
【純愛 恋愛小説】

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陽だまりの詩 4-4

どのくらい時間が経ったか。
俺はかなりの時間、奏ちゃんの体温を感じていた気がする。
「天道さん」
声が耳元から聞こえる。
「ん…」
「汗臭いです」
「……!」


やられた…
これは美沙の仕業だ…


初めて美沙が発作を起こし、俺が抱きかかえたときこう言った。

お兄ちゃん汗臭い、と。


「おいおい…また美沙のやつか」
「やっぱりバレましたか」
奏ちゃんは耳元でふふ、と笑う。
熱い息がかかってぞくぞくした。

ゆっくりと奏ちゃんから腕を放す。
「俺だって流石にこんな嘘つかれたら怒るぞ」
いくらなんでも冗談にしては重い。
もう少しでパニクってたぞ、俺。
「ごめんなさい、でも、美沙ちゃんが機会があったらこうしてみてって…」


…俺達兄妹は揃って、なにをこんな純粋無垢な子にいろいろ変な知識をつけさせてるんだ…
教育によくないな、まったく。


でもまあ本当に冗談ならよかった。
いろいろな意味でおいしかったし。
あ、いや、違う。今のは違うぞ。


「汗臭いっていうのも冗談ですから…言うの恥ずかしかったです…」
「はは」
すぐに美沙が吹き込んだことだと気付いたからよかったものの、気付いていなかったらトラウマになりそうなほどショックだった…
「でも本当に汗臭いだろ?暑い中営業してたし、走って病室まで戻ってきたから」
「いえ、そんなこと気にしてませんでした。大人の男の人って、やっぱり大きくて頼もしいなって、そんなことばかり考えてました」
えへへ、といつもの笑いがでる。
「…そうか」

でも待てよ、美沙に言われてこんなこと実行するなんて、普通できない。
美沙は俺が奏ちゃんのことを好きだってわかってるし、これはまたアシストされたのか?
奏ちゃんも俺のこと…好きじゃないと実行しないよな普通…


真意が知りたい…


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