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ヴァンパイアプリンス
【ファンタジー 官能小説】

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ヴァンパイアプリンス5-5

『どう?宏樹。カッコイイでしょ?』
『…うん!!』
鏡に映る自分が、自分でないような気がした。
『もしもね…宏樹がお母さん達以外の人の目が怖くなったら、コレつけてね。そうするとね、全然怖くなくなるよ?』
『うん…』
こうして母は、二人分のだて眼鏡を買った。帰りにス-パ-に寄ったけど、その眼鏡のお陰で人の目が見れるようになった。
『カッコイイぞ-、宏樹。』
母と色違いの眼鏡。嬉しかった。
『お。宏樹、イイ物付けてるなぁ』
『イイでしょ-!!』
『ずるい!!僕も!!』
『ダメだよ、雅人!!コレはお母さんとお揃いなの!!』
『何!?沙詠子とお揃い?!父も欲し〜い〜』
『ふふッ。みんな、宏樹の眼鏡、カッコイイって!』
『うん!!』
次の日から、僕はまた学校に行くようになった。母とお揃いの眼鏡を着けて。
『行ってらっしゃい』
玄関で手を振る母も、赤いフレームの眼鏡を着けている。母は毎日眼鏡を着けてくれた。
『行ってきます!!』
僕は笑顔で飛び出した。

―…
「…というわけ。」
いつの間にか、宏樹の家の前に着いていた。
「着いたね。」
―ガチャ
宏樹は、鍵を開けて月下を家の中に招き入れる。
「入って?」
月下は静かに頷く。
いつものように、宏樹の部屋に通された。
月下は依然黙ったままに…。
宏樹は月下にこの話をした事を後悔した。
「月下…ゴメンね。こんな話、月下に聞かせるべきじゃなかったのかも。」
宏樹のベッドの上に座る月下の横に、宏樹はそっと腰を下ろした。
「…ありがと、宏樹。」
「え?」
月下は宏樹の肩に寄りかかった。
「話してくれて…ありがと。」
月下は宏樹の手をきゅっと握る。
「宏樹があたしの前では眼鏡かけない理由、ちゃんと宏樹の口から聞きたいな…」
「月下…。それは…月下が俺を受け入れてくれた、唯一の人だから。そして、俺の一番大事な人だから…」
宏樹はそう、月下に言った。
「あたしも…宏樹が一番大切な人だよ。だから…」
「だから?」
「エッチしよ。」
宏樹は驚いて、月下の顔を見た。月下はにっと笑った。
「あ…そんな気分じゃないか。」
やっぱりムードが大事よね、なんて言いながら月下はカーテンを閉めた。
「宏樹の話聞いたらね…何か宏樹に抱かれたくなった。何でだか…わかる?」
月下はちゅっと可愛い音を出しながら、宏樹の唇にキスをした。
「わ…かんない…」
宏樹、まだまだだね〜と、月下は自分が優位に立ったような顔をした。
「宏樹の口から、あたし以外の女の子の名前が出てきたからだよ。」
「それッて…ヤキモチ?」
月下はこくんッと頷いた。
「宏樹が妬かせるような事言うから…ちょっと腹立つ。笑」
「…ッ」
宏樹は小刻みに震えていた。
「宏樹…?」
「ククッ…ハハハッやっぱり月下には敵わないなぁ〜。」
宏樹は月下にキスをする。
「んッ…宏樹ッ」
「好きだよ…」
「あたしも。あたしも宏樹が好き…」
宏樹は満足そうに微笑んだ。


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