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キズ
【純愛 恋愛小説】

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キズC-1

県立藤空高校 3年2組 高見 有栖(たかみ アリス)

「すみません」

たった一言告げ私の前から村尾くんは自室に消えてしまった。
「あっちゃ〜、ゴメン。有栖ちゃん私が前もって教えとけば良かったね」
「えっ!!何をですか?私何かマズイことしたんですか?」
「うん、しちゃた訳なのよ」
「ごめんなさい」
「ううん、そんなに気にしないで」
「でも、………」
私の一言で楽しかった夕食がいっきに寂しくなってしまった。
「すみません、眞遊(マユ)さん」
「だから、気にしなさんなって」
「はい」
眞遊さんは、そう言ってくれたがやはり失敗したと思う。今日が初めての事が有りすぎて喜びすぎてたんだろうな。
(だから、あんな事も聞いちゃたんだろうなと思う。)
「ねぇ、有栖ちゃん。そろそろ帰った方が良いんじゃない?」
時計を見てみると、もうすでに9時になっていた。
「あっ!!ホントだ。じゃ、帰りますね。今日はホントありがとうございました。そしてすみませんでした」
「良いよ、もう遅いから送って行くよ。家近いんでしょ?」
「はい、近いですから大丈夫ですよ」
「まあ、それでも送らせてよ。もう少し話もしたいしね」
「………それじゃ、お願いします」
「おう!!」
結局眞遊さんに送って貰うことになってしまった。歩きながら隣を歩いている眞遊さんを見た。早雪 眞遊(さゆき マユ)さん村尾くんの幼馴染みのお姉さんで大学2年生との事だった。一番目立つのはやっぱり真っ赤に染めている髪の毛だろう。
(でも、目立つのに眞遊さんは全然不自然な色じゃないのよね。逆に似合ってる)
「有栖ちゃん、…………今日は楽しかった?」
「えっ!!はい、楽しかったですよ」
「でも、ゴメンねぇ。詩音が急に部屋に入って」
「いえ、私が聞かなければそんな事も無かったのにすみません」
「良いのよ、アイツが勝手に部屋に入ったんだから」
詩音。村尾 詩音(むらお シオン)くん色んな不思議な所を持っている私の同級生。
「あの…ところで、眞遊さん。村尾くんって何で髪で顔を隠してるんですか?」
「う〜ん、なんでだろうね」
何か妙な答えが帰ってきた。
……………………………………………………それから互いに沈黙が支配した。黙々と歩いていると沈黙を破ったのは眞遊さんの方だった。
「ねぇ、有栖ちゃん。詩音と友だちでいてくれる?」
「はい!!それはもちろん。村尾くんって話してみると意外と楽しいし優しいですし」
「そっか、そう言ってくれると私も嬉しいよ。ありがとう………………有栖ちゃんだったら大丈夫かな」
「何がですか?」
「……………ちょっと長い話をしちゃうけど良いかな?」
「はい」
「ありがとう」

それから私たちは適当場所で眞遊さんは話し始めた。
「今から大体4、5年前何だけどね。私が高校生で詩音が中学生だった時何だけど…………………………」
それは村尾くんの苦痛の物語だった。


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