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キズ
【純愛 恋愛小説】

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キズB〜変わらない日常〜-3

結局、晩飯は俺が作る事になってしまった。ご飯の準備をしていたら玉子が無かった事を思い出したから買いにに行く事になってしまった。
「眞遊、高見さんちょっと玉子買ってくるから」
「りょーかい、きぃーつけてな」
「は〜い、行ってらっしゃい」
それぞれ返事をしてくれて助かる。やっと二人とも仲良くなったようだ、特に高見さんの方が眞遊に慣れたようだ、俺も最初はあの性格に戸惑ったがあれだけお喋りだから眞遊はどんな人達とも仲良くなれるようだ。近くにスーパーがあると歩いて楽に買い物が出来るのが良い。
玉子を買って帰ってくると家からは笑い声が聞こえてきた。
「まったく、いい気なもんだな、ただいま」「あっ!!おかえり〜」「んじゃ、作り始めるからな」
「は〜い、楽しみに待ってま〜す」
何だかんだで俺も料理を作るのは好きだ。
「村尾くん!!どう調子は?」
「おわ!!いきなり後ろで声かけないで下さいよ」
「あっ!!ゴメ〜ン。でも、手伝える事ないかな〜と思ってさ」
「ありがとうございます、でも大丈夫ですよ。慣れてますから。それにお客さんはゆっくりしていて下さい」
「は〜い」
「うし!!出来上がりましたよ」
「おう」


「「「いっただきま〜す!!」」」
「美味しい、何でこんな上手に作れるの?」
「そうだな、美味い。相変わらず上手だな」「どういたしまして」そう言って貰えると作った俺としては嬉しいものだ。三人で雑談をしながら楽しい夕食時間を過ごした。
(楽しいな、……………でも、俺にはこれは似合わないな)
ほんの一瞬だけ心がチクリと痛んだ。
「ねぇ、村尾くん。ところでなんで左手首にリストバンド巻いてるの?」
「あっ!!有栖ちゃん、それはダメだよ」
「えっ!?」
「すまない、俺は部屋に戻るよ。今日は楽しかった。高見さんももう帰った方が良いんじゃないかな?」
俺はそのまま自室のドアを閉めて。イヤホンをして音楽を聞き始める。暗い部屋の中で俺は思い出したくもない過去のキズを思い出した。

『死ネ』『ウザイ』『キモイ』『消えろ』それが今でも俺の心を縛っている。俺は生きていて良いのだろうか?俺はそんな事を考えながら眠りについた。


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